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企画・アンケート小説
2


「フィアフルフレア!!」

「これでもくらいなさい!――ミント、スタンにシャープネスとバリアーを!」

「任せてください。」


結局――選ばれたのはあの中のメンバーじゃなくて、クレスの相方のミントだった。ダオス戦で凄く強かったのは私も知ってるし、皆も許してくれた。
ミントなら安心だ、という声もあったのが大きいのもあるけど一番はみんなクレスが怖いからなのかな。でもロニが「ミント様怖い…」と震えていたから何かあったのかも。ま、あたしに危害が無ければそれでいいんだけど。


「モンスターも一通り全滅させたし、あとは戻るだけだな!」

「スタンさん、実はアンジュさんからの依頼でそのまま買出しがあるそうです。」

「へーそうなんだ。じゃあ早く行かないと日が暮れちゃうから急ごう。ほら、あたま」

「ええ、そうね。ちょっと用事思い出したから二人は先に行ってて、すぐに追いつくから」


あたしたちは荷物を纏めて近くの町に向かう。そしてずっと感じてた視線……すっごく嫌な予感してるんだけど。


「――いつまでそこにいるつもり?バルバトス?」

「ばれていたか…さすがは俺が認めた強者」

「ずーっと殺気を孕んだ視線を感じてたわ。――スタンに対しては違う視線だったけど。」

「な!?何故…」

「バレバレよ。スタンは鈍チンだしミントはたぶん気がついても言わないと思うし(どうせ薄い本のネタにするから)。これがミントじゃなかったらこの森に入って直ぐにあなたばれてるわよ」

「ならば仕方ない。あの男…俺が求めていた男、スタン・エルロン。ククク、以前はあいつの息子に邪魔されたが今は貴様とあのひ弱な法術士の女のみ!俺と話すために二人っきりになったのが仇のようだな!」

「スタンを捕まえてどうしたいわけ?闘うだけが目的じゃないみたいだけど?」

「知れたこと。俺の力に屈服させ、あの瞳が闇に染めるのを見るのさ。そして貪りつくす。」

「つまり、無理矢理って事?」


バルバトスがにやり、と笑ったのを見逃さないあたしだった。喋りすぎたな、とバルバトスがいい、自分の斧を持ち直した。


「貴様も戦士なら論弁だけでなく、力でかかってくるといい!」

「ええ、そうさせてもらうわ――。みんな!!バルバトスの目的はスタンを拉致して強●した後に×××で●●●な事をさせた挙句、●××で□□□な18禁な事をさせるつもりよ!!」

「「「「「「「「何だって!!!」」」」」」」


あたしの叫びに答えたのか、茂みから声がする。やっぱりいると思ってたけど……。我ながら予測できる自分が恐ろしい。
えーと、リオンにルーティにフィリアに、リリス、ウッドロウ、カイル、ロニ、ジューダス、ユーリ、リッド、ああ今回はリタお休みなのね。それとアスベルにルーク…何か増えてない?バルバトス囲んでいるわね、これだと。


「バルバトス!お前父さ――じゃない、スタンさんを襲ったのはやはりそういうことだったのか!!」

「ゆるさねえ…ゆるさねえぞバルバトス……俺とカイル、そして皆が敬愛するスタンさんを……!!」

「やはり貴様は死ぬべき存在だ。僕が引導を下してやろう。」

「あんた…やっぱりカイルがいってた通り極悪な顔でやることは非道ね!スタンを犯すのが目的なんて最低よ。」

「僕より先にスタンを襲おうなど有り得ない事だ。ヒス女、ここは貴様に賛同だ。」

「フフフフ、スタン君を拘束して身体を開発して×××な事をするなんて……戦士の風上にもおけないね。国王の名前において彼を殺すのを認めよう。」

「お兄ちゃんを護るのは妹である私の役目!!前回じゃ足りなかったみたいなので今回も徹底的にボコりますよ〜」

「晶術のサビにして殺害します(キリッ)」

「てめえとスタンの関係なんざ俺には興味ないが、その内容が気にくわねえな……。その役目は俺がやるんだよ!!」

「ユーリ、それがマジなら俺はお前もぶっ叩くぜ?まあ、先にこいつをボコボコにしねえとなあ。スタンと御昼寝してえし」

「リッドもユーリも。まずはあの蒼髪タイツさんにお説教しないといけないと思うんですよ。」

「説教なんておかしくねえか、アスベル。ああいうのは説教っつーよりお灸だろ。ヴァン師匠が言ってた。」


何か皆やる気満々じゃない……。
ユーリとカイルが真っ先に駆け出していったのを境に、ルーティのシャープネスとフィリアのブリザードが襲い掛かる。うわあ、包囲陣が完璧ね。バルバトスの雄たけびと、皆の声を背景に、あたしはこっそり抜け出してそのままスタン達を追った。案の定、町で待っていたスタンとミントだけどスタンってば寝ちゃってる。


「遅かったですね、あたまさん。――皆さん、追いかけてきたんですか?」

「そりゃあね。で、せっかくだからスタンのストーカーみたいになってるバルバトスの相手をしてもらってるわ。しかもバルバトスがアレな事言ってるから皆マジギレしてたみたいで殺る気満々だったわよ。」

「ああ、やはりそうでしたか。放置しておいて正解でしたね。」

「本当。スタンはどうしたの?」

「あたまさんが遅いので迎えに行くと申し出ましので眠ってもらいました」

「あ、そう。でもどうやって帰るの?あたしたちじゃ運びづらくない?」

「ああ、それでしたら――」


と、ミントが指差した先には後ろを気にしつつ走ってきたセネルがいた。あの争奪戦に参加しなかったのはそういうわけだったのね。


「ミントから聞いて、こっそりやってきたんだけど…。」

「うん。じゃあ、大体理解してると思うからスタンをお願いしてもいい?」

「……任せろ。」


セネルがすっかりやる気出してる。おんぶじゃなくて姫抱きなのね、やっぱり。セネルってば力持ちだから鎧つけて結構重装備のスタンを軽々運べるみたい。


「ミント、もしかして…最初からこうなるの解ってたの?」

「さあどうでしょうか??」


ミントの笑顔が怖いわ、本当。今ならロニの言葉がよくわかる。

ああそうそう、バルバトスだけど……あんなに大量の戦士に襲われたら流石の彼も太刀打ちできないでしょ?倒したカイルが引きずってフレンのとこの騎士団に突き出したみたい。
リッドやルークの話によればバルバトスのダメージは半分近くカイルが与えていたみたいで末恐ろしいと感じたそうよ。

殆どの人はカイルを「スタンに憧れてる少年」と思ってるみたいだけど、あの二人が親子だとわかったらどういう反応するんだろう。ちょっと楽しみ。



END


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