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企画・アンケート小説
仮面舞踏会1/ふかつき様リク/久我+彼方×狼牙/パロ/激裏



最初見たときに青年の魂の美しさに魅せられてしまったのだろう。彼は、敵である青年に惹かれていた。



「また奴等に手柄を盗られたか。」

「申し訳ありません。」

「……やはり先祖の血は争えぬか。斬魔め!魔族に魂を売り渡した我等が破魔局の恥さらしが…!!」

「………。」




「ご苦労様。上のご機嫌取りも大変そうで。」

「ご苦労様、といっている雰囲気でもないな。…何の用だ、冬摩。」


与えられたマンションの一室に帰宅して溜め息をついた久我を迎えたのは、同居人と呼べる存在の冬摩彼方。ともいっても、彼はふらりとやってくるに近い。


「四大天使のお前が俺の前に現れるからには、善意で労りに来た訳ではないだろう。また仕事なのか。」

「酷いですね久我くん。……まあ、仕事と言えば仕事ですが、これは僕個人の依頼です。」


彼方はひとのよい笑みを浮かべて久我に近づく。四大天使の彼がわざわざ頼むからにはまた特殊な仕事なのだろうと久我はなかばあきらめていた。


「――メタトロン様からの依頼でして、斬魔狼牙の調査です。彼、ラファエルや七大魔王の一人と契約しているではありませんか。ただの人間が持つ式神にしては身に余る力ですよ」

「斬魔、狼牙……」

「サンダルフォン様の欠片も式神になった程の男ですから余計に目を尖らせているのです。」




「つまり、狼牙(の契約してる式神)を調べろ、と?」

「ええ。方法はお任せします。僕個人も彼には興味がありますので連れてきたら会わせてください。」


そう述べて彼方は消え去った。連れてきたら、といっていたからたぶんこの自室に拉致してこい、という意味だろう。 結界も更に強固になったということは式神を引き離した状態で、だろうと久我は推測する。


「俺も狼牙に興味はある。……さて、どうやってあの過保護式神から狼牙を引き離すか、だな。」



明くる日。
狼牙は久々に大学に向かった。ここにいる友人が狼牙に話があると呼び出した為だ。ついていこうとする式神達を説得して狼牙は生身で大学に向かう。


「成瀬からなんてなんのようだ?」

しかし待ち合わせの時間になっても友人は来ず、どうしたのだろうかと狼牙が友人に携帯で問い合わせている最中に後ろから薬を嗅がされて腹パンチを受けてその場に倒れ伏す。


『斬魔君!?』

携帯の相手から響く声が邪魔だと思ったのか、狼牙を担いだ――久我は携帯の電源を落とした。 腹パンチを喰らわせた彼方は、久我の腕の中で気絶している狼牙に対してニコニコとわらいかけた。


「よく寝てますねー」

「薬と腹パンチだからな。……冬摩、準備万端か」

「それは勿論。パーティーの準備は出来ています。あとは主賓が来るのを待つだけです。」


彼方は狼牙を見た。その笑顔は底知れなかった。



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