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企画・アンケート小説
だいち様リク/ガトー×コウ

だいち様/ガトー×コウ/※ACE2設定

「そういえばこうしてガトーと一緒に休みが重なるなんて初めてだね」
「そうだな……」

ナデシコのクルーに与えられた一室で、同室のガトーとコウはゆっくりと休んでいた。人手不足のこの部隊は二人同時で休ませるという事はあっても違う兵器のパイロット同士だった。だから数少ないMAのパイロットであるガトーとコウは同時で休息を与えられるということは無かった。パイロットリーダーのアムロは「たまには二人で気晴らしにショッピングにでも出かけたら?」とにこやかな笑みでコウを送り出した。

ガトーとコウ、宿敵というかライバルの二人の関係はいつの間にか恋人へと発展していた。無表情のガトーはともかくとして、若いコウがその感情を隠せるはずも無く、見事にばれた。
ナデシコ組に、だ。
瞬く間に噂は広がり、あっという間に二人の関係は部隊公認となってしまった。保護者のバニングがガトーの所に向かい、話をしたのもある。

「いいか、泣かせたら後ろから撃ち殺すからな。」
「承知した。―――だが、もう泣かせている。」
「何?」
「ちょ、ガトー!?」
「あぁ、なるほどね〜」
「ちょ、デュオまで!!」
「「??」」
「あぁ、そこの鈍感二人は黙ってろ。」

デュオが首をかしげて訊ねようとするドモンとヒイロを先手を打って黙らせる。当のコウは顔真っ赤だ。バニングも最初は呆然としたが意味を知ると、ガトーの肩を抱いて「よしじゃあ今日はつきあえ!」とおっさんのように脅した。

そんな二人だが、同部屋なので任務に支障が出来ない時はベッドインして愛を確かめ合っているが、デートというデートはしたことが無かった。自由行動もめったになく、そういう時に限って元々軍人の二人は哨戒に借り出されるのだ。流石に若い二人がデートの一つもないなんて駄目じゃないか!とユリカがブライトや主任クラスに直訴したのもあって、急遽二人の時間調節が決まったのだ。(本当はユリカLOVEのミスマル司令の無言の圧力でもある)
部隊全員の協力もあって、二人は明日の昼まで空きがあるのだ。

「しかしこうも仕事がないと不安だ…」
「ガトーの馬鹿!何にも恋人らしい事してない俺達を心配してアムロ大尉達が計らってくれたじゃんか!」
「あぁ、だからこそ心配になってな。我々の抜けた穴を…」
「そこを何とかしたから俺たち二人分の空きがあるんじゃないか。はい、出来たよコーヒー。ガトーはブラックだっけ?」
「あぁ。」

普段着ている軍服ではなく、Tシャツにジーンズといったラフな格好。ガトーもかなりカジュアルな格好をしていた為コウは吃驚した。

「(俺、そういえば普段着のガトーって見たこと無かったなあ…)」

ミルク入りのコーヒーを飲みながらコウは分かれるときにケーンに渡された喫茶店の500円割引券と映画のチケットを見直す。「これでデートでもしてこいよ!これは俺達からの餞別だからさ」と肩を叩かれた。

「(そもそも何の映画なんだろう…流石にゲキガンガーじゃないのは確かだもんな)あのさ、ガトー…」

コウは勇気を出してコーヒーを飲み終え寛ぎ始めたガトーに声をかけた。



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