企画・アンケート小説 メフィストフェレスの甘言C ――壊れた、か。 ミクトランは異形のモンスターに犯され続けるスタンを見て、冷ややかにそう呟いた。 だが、スタンに抱くこの感情は、今までの地上人とは違った感情。 興味? 執着? 独占欲? 否、この気持ちは ―――この想いは、きっと暴かれてはいけぬモノ――― 欲しいモノは何でも手に入った。 否、手に入れてみせた。 スタンに人並みの感情を持ったのはいつからか。 最初は純粋に"興味"だった。 ヒューゴを操りリオンの死の原因が余だと知り、ソーディアンやそのマスターと同じ恐怖と驚きではなく、ただ余を見詰める"憎悪" その碧眼の瞳が放つギラギラとした視線を、愚かな男だと――捻り潰したくなった。 だから拐って、格下の魔物に犯させた。自尊心を粉々に打ち砕いたら、その意志の強い瞳は魅せなくなるのかと。 しかし、興味は尽きぬ一方で。意志の強い瞳を己だけに向けてほしいと思うようになる。 拐って、監禁して。始終ドロドロになるまで魔物達に犯させて。 それでも意志の強いスタン・エルロンが"欲しい"と思った。 縛り付けたい。 拘束したい。 スタン・エルロンが自分からいなくなるのを防ぐためにはどうするか――― 女なら、簡単だ。子を孕ませればいい。好きでもない相手の子を孕むのは耐え難い苦痛だ。 「 女 」 な ら … … ? ――簡単な事だった。 メフィストフェレスの甘言 (この気持ちを愛と呼ぶのであれば、きっと) [前へ遡って観る][次へ逝って視る] |