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僕には兄弟がいる。
兄と弟。兄は今年で32で、弟は18。ちなみに僕は25だ。



兄は家業を継ぐために英才教育を受けて今では会社のほとんどが兄が動かしている。その才能と力量に相応しいくらい美しく整った容姿。誰もが兄に見惚れ、引き込まれる。だが、その冷ややかでまるで凶器のような威圧感に人は怯えもする。



完璧すぎる彼の地雷。
決して踏み込んではならないこと。


それが、彼と僕の弟のことだ。


彼が異常なくらいに溺愛している、いや、あれを愛と呼ぶにはおぞましいくらいだ。



自分の弟を監禁し、薬漬けにしてその肉体を貪っているだなんて。



兄がどうして弟にそんなことを強いるのか。
なぜ弟だったのか。




なぜ、俺は駄目だったのか。




美しすぎる兄を横目に退屈な会議でひとつあくびをする。どうして、僕ではないのかという意味はただ嫉妬しているとかそうゆうことじゃない。僕と弟、何が違ったのか疑問に思っただけだ。弟に兄弟、男同士という二重の禁忌を破らせるくらい魅力があるのか。



(僕には、ただ壊れたおもちゃにしか見えないけどね。)

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あきゅろす。
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