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夜。うっすら目を開けると、そこにはよく知った顔があった。



「なに?どうした?」


仕事柄物音には敏感な方だ。そこにいたのはダイキ。藍色の瞳がじぃっとこっちを見ていた。ダイキは王直属の命を受けることも多々ある。また、こんな職業柄深夜に眠ることなんか滅多にない。



「・・・なぁに?眠れないの?一緒に寝る?」


そういえば、でかい体がいそいそとベッドの中に入ってくる。ぎゅうっと俺にしがみついて胸元に頬を擦り付けた。


ダイキは、故郷に置いてきた弟のようだった。離ればなれになった弟の代わりみたいにダイキを可愛がった。


ダイキは王の言いなりだ。王を盲信しすぎている。



(かわいそうな、こ)



「・・・なぁ、トキ、」



「んー?」


きっとこの子は王のために死ぬのだろう。俺は、死ねない。弟がいるんだ。弟のために、金のために、俺が死ぬわけにはいかない。



何かを信じて、考えることをしないお前とは違うんだよ。ダイキ。



「トキは、どこにもいかないだろう?王を、裏切ったりしないだろう?」



「何だよ、いきなり」



「俺は、トキを殺したくない。」


恩か、情か。


安っぽい。



「・・・ああ、もうおやすみ」




可哀想で、愛しいダイキ。
誰かこの子の目をさまさせてはくれないだろうか?
誰か、この子を、




この子を。

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あきゅろす。
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