* 9 「んー・・・ん、んん?はっ!」 ガバッと体をおこすと激痛が走る。痛い。柔らかいベッドは広くてこれが噂のキングサイズとかいうやつ?よくわからないけれど。 「・・・どこだよーここ。」 泣きたくなる。昨日さんざん泣かされたくせに。なんて、なんて・・・ (おれ、どうなんの?つか、先輩は?) どうやってつれてこられたとか、ここがどこかとかもう疑問しかない。誰か答えをくれないかな。くれるのはきっと彼しかいないんだろうけれど。 「まな?起きたか」 なにか音がすると思えば声が聞こえた。 「あい、起きました・・・ここ、何処ですか?」 大迫さんは俺の寝るベッドに近づいて座る。それをみあげれば大迫さんはいつも後ろに流した髪が前に降りていてなんだか幼く見える。 かっこいい・・・ 大迫さんはふっと笑って俺の額の髪をすいてくれた。そこがズキッといたんだのでアザがあるんだなぁって思った。 「ここは俺のマンション。お前は今日からここに住むんだよ。」 「え?」 疑問を投げ掛ける前にキスをされる。今まで以上に優しくて甘いキスだった。 「んぅー・・・はっ、どういう・・・」 にっと笑うその顔は黒い笑顔。撫でてくれる手は凄く優しくて気持ちいい。 「いい子にしてろよ?そしたら酷いことはしない。いいな」 はい、としか言えないだろう。そう大迫さんの目がいっていた。 どうしよう。どうすればいいんだろう。とりあえず今日バイトなんだけど。ここからバイト先近いといいなぁ。そんなことをぼんやりと考えていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |