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春になろうと、冬になろうと、何も変わらない。君は僕に嘘の愛を囁く。僕以外にも。


「何に文句があるわけ?お前何かが俺の恋人をなのれんだぜ?何の取り柄もないお前がよぉ」


君はけらけら笑う。確かにそうかもしれない。みんなが言う。飾りの恋人だと。うざいって、殴る。相応しくないと、いうんだ。


春は桜がさく。綺麗にひらひらと舞っていく。美しいそれに人は集まるけどその花びらは散り散りになって消えていくのだ。


まるで、君のよう。


「なぁ、はやく出てってくんない?今、ナニしてるか、見りゃわかんだろ?」


ああ。わかるよ。君が僕を貶めることをしてるって。もう、裏切りなんていわない。だって、もう信じてないもの。


「恋人はお前だけ。別れるなんてゆーなよぉ。寂しいだろ?」


そんなことを簡単に言う君。君の言葉に価値もない。中身がないからだ。おかしそうに笑う君がおかしいよ。



「ああ・・・綺麗だね。さくら」


ひらひらと散っていく花びらに、炎がとりつく。あっという間にそれは赤い柱となっていく。



「君は、本当に綺麗だね。僕なんかとは違う。とても、綺麗だ。」



綺麗な君は叫び声も美しく感じるよ。鎖は炎を拒むから君はそこから逃げ出せない。



「好きだった。君は僕を無理矢理犯して恋人だっていってくれたね。嬉しかったよ。その頃は。君の恋人なんて夢のようだった。意地悪で優しい君。いつからかなぁ。浮気ばっかりするようになったの。ねぇ。・・・もう聞いてもくれないんだね?」


叫んでばっかり。死ぬ間際くらいには僕の話を聞いてくれてもいいじゃないか。君は本当にひどい人だ。



「佐倉。どうせなら、見てるだけで良かったのに。綺麗な君を見てるだけでよかった。抱かれなくてもよかった。恋人になんてなれなくてもよかった。」





それでよかったのに。どうして僕に触れたんだよ。僕を好きだといったの?バカな僕は君の愛を信じてしまったじゃないか。なんども君を愛してるって言ってしまったじゃないか。君の浮気相手に殴られても、その手当てを君がしてくれるから。変な優越感を持ってしまってたじゃないか。



君のせいで、僕の中が燃えていく。燃えて形を変えていくんだ。醜く、汚いものに。




「佐倉、好き。好きだよ。愛してるよ。浮気なんかしないで。お願いだから。」




君の胸に届かなかった僕の言葉たち。これも一緒に燃やしてしまおう。君のためだけの言葉だ。もう、必要ない。


ああ、本当に好きだった。こんなに胸が震えたことはない。満たされたこともない。君の教えてくれた偽物の愛は僕を幸せにしてくれたよ。



燃え盛る炎の花びらが散る。燃えるさくらは散っていくだけ。きっと君の灰をまいても君のように美しいものは存在しないだろう。その灰こそが世界一美しいものだから。


「さようなら。さくら。」






散って、消えてしまえ。



終わり

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あきゅろす。
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