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責任って、いったい何の責任があるんだと嵩斗は一瞬考えたが、すぐに思い直した。
彼はあの正平と同じ不良で、舎弟だ。きっと同じくらい馬鹿なんだろう。
何と返したものかと考えることにして、窓へと視線を向けた。

晴れているが、もうすぐ梅雨に入るので今夜も軽く降ると予報で言っていた。ランニングがやりにくいな、と憂鬱になる。今日のような日は思いっきり走りたいのだが。

こいつらは一体何をさせたいんだろう。考えるまでもなく一つの答えは出るのだが、それは了承したくない。

再び朝比奈くんと向かい合い取りあえず『知らん』という旨を口にしようとして、驚きに肩を揺らした。
屋上の扉がぶち開かれる大音響に、複数の駆け下りる足音が続く。

「おい待てテメェ!」

「こら!屋上で待ってろ!」

「菊原っっ!!」

案の定、正平だった。後ろに続く金丸と洋一郎共々、青胆があったり血がついていたりして、本当に殴り合っていたんだと分かる。

あれ、胸が高鳴った気がする。
こいつの顔は毎日(不可抗力的に)見ていたはずなのに、しかもこんなボロボロの顔相手に、何でだ。

信じられない、と正平のバサバサの睫毛が揺れる。そこからいつもの様に必死な顔になって、あ、と周囲が止める間もなく嵩斗へ突進した。

「ぅわっぶ……」

「マジで、本物か……!!」

勢いよく抱き込まれたと思ったら、顔面が胸板にぶつかってそのまま押し付けられた。さらに後頭部を抑えられ、ぐいぐいと圧迫される。その間に片方の腕が背中に回され、ホールドされた事に気付けないほど正平の腕には力が籠もっていた。

「まさか、本当に……信じられない……本当に……」

幾度も呟く正平に、放せ、と言い返したいが胸板に顔面を押さえ込まれてままならない。
そんな事には気付かず、正平は興奮して続ける。

「あんな嫌がってたのに……来てくれるなんて……」

菊原、と低い声で名を呼ばれて、また高鳴る。
だからその声は苦手なんだって。

「いいのか?」

「ん……?」

いいって何が?

とは口に出来なかった。
胸板からようやく解放されるが、後頭部は掴まれたまま、その腕を下げられる。自然上を向く姿勢になり、気付けば正平の顔が間近に迫っていた。

「ぁぁぁあちょっと!まっ!おまっ……!」

ドキリとなんてしてる場合じゃねえ!

慌てて目前の顔に手を添え、力一杯押しのけるよう努力した。だが悲しいかな、上から迫られる体制の利と、力負けの現実に距離は少し少し縮まっていく。

慌てたのは周囲も同じだった。

「待て大澄何やってる!?」

「違う!ショーヘイ違うよ!それは早とちり!」

「落ち着け馬鹿!」

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あきゅろす。
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