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5000hit記念小説
80000hit記念小説
注意!!
この小説では、男性化した主人公が出てきます。
苦手な人とかは読まないで下さい。読んだ後の苦情は受け付けれません。
大丈夫!!という方はどうぞ!







現実と思えば夢で、夢と思えば現実。そんな話にございます……なんて、何回言わすんだぁ!!






トリップor入れ替わり






と、前置きの叫びをカナが言ったけど、今回は……あいつがいなかったときの話だ。
いなかった――というのも、また、不思議な話なんだけどな。

「おーい。朝だぞ。起きろ、カナ……カナ?」

いつものように、よく眠るカナを起こしに、部屋に行けば…ベッドの上にあぐらをかいて座り、首を傾げている少年が一人。

「お、エステルじゃん!なぁ、ここって昨日の宿屋か?部屋が昨日と違う気がするんだよなぁ」

そいつはオレを見ると、エステルの名前を呼び、笑顔で駆け寄ってくる。
よく見れば、そいつはカナに似てる。
黒髪こそ短いが、顔立ちや体格、男だとわかりはするが、似ていた。

「おまえ…誰だ?」

「はぁ?オレ、カナだぞ?何言ってんだよ、エステル」

どことなく、あいつに似た笑顔で、そいつは答える。

「……オレが知るあいつは、一応、女なはずなんだが。しかも、さっきから名前を間違えてんだよ。オレはユーリだ」

混乱する頭をどうにか落ち着かせながら、オレはそいつに問いかける。ついでに名前を訂正すれば、そいつは驚いた顔をした。

「は、ユー…リ?え、いや、オレが知るユーリは可愛いピンクの髪で、エステルが女性が羨むような艶やかなストレート黒髪を持って、ユーリが女で、エステルが男…」

「そりゃ、逆だろ。だいたい、オレの知るカナは女だ。悪ぃが、おまえじゃねぇ」

ぶつぶつと、カナが常に言うオレとエステルの特徴を全く逆に言うあいつに、声をかける。
そして、カナが女だと告げれば、こいつは驚いた顔をした後、いつものふにゃっとした笑顔を見せた。

「なぁ、ユーリ?オレ……またトリップしちゃったみたい。もしくは、入れ替わり?ここ、オレのいた世界じゃないや。なんか……逆?こっちの世界とは性別とか見た目とかが違う世界がオレの世界みたい。なんかが原因で、この世界のオレ……私?と、オレの世界のオレと入れ替わったみたい」

どうしよう。なんて、こいつは最後の言葉だけ小さく呟く。

「……」

「……」

お互いに口は開かない。
というか、こういうのはどう口を開いていいもんかねぇ。
突拍子のない話だが、嘘とは思えない。
トリップしてきたやつが、別の世界にまた移動するのだって、有り得ない話じゃないだろう。

「はぁ……」

黙っていれば、こいつは大きくため息をついた。
なんというか……こいつ、本当にカナか?
こういうときのあいつは、人一倍慌て始めるイメージが強いせいか、目の前の落ち着いたように見えるこいつとは似ているはずなのに、別人に見える。

「おまえ、随分落ち着いてんだな」

こいつとカナのことを比べて考えていると、ふいに言葉が出た。

「…そんなに違うか?」

「ああ」

心底、不思議そうな顔で、こいつはオレを見上げる。
……顔立ちとか、雰囲気とか、あいつにそっくりなこいつは、身長まで似ていて、何処か安堵した自分がいることにオレは気付いた。

「んー。そんなに違うかなぁ。いや、俺は会ったことないから、わかんねぇけど。でも、俺と私?似てる気がするんだよねー。勘だけど」

こいつは下を向いて一人でぶつぶつ言うと、突然オレの方を向いて、笑った。

「でも、俺と私?の行動が違うなら、私がおまえのこと、信頼してる証じゃねーか?」

俺だって、いろいろあるしー?
















「…リ!ユーリ!!」

「ん…」

「起きてよ、ユーリ!普段あれだけ、人のこと容赦なく起こす癖に、自分は棚上げですかー!」

いつもの聞きなれた声に、オレはゆっくりと目を開ける。
朝の光と…見慣れたカナの姿が見えた。

「…いつものおまえか」

「いつもの私ってなに!?私はいつも、時雨 郁奈なんですけど!?」

姿を見て、思わず漏れた言葉に、カナのツッコミが入る。
朝からテンション高いやつだな…。と小さく呟きながら、いつもの姿にオレは安心した。

大きく息を吐いて、ベッドから降りる。
そして、あいつそっくりなやつの姿を思い出しながら

夢でよかった

と呟いた。












男のあいつの言葉が、ほんの少しだけ嬉しく感じたのは、あいつが大切な仲間の証拠。
不思議なあれが、夢だったのかどうか再び起こる出逢いのみぞ知る……。


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あきゅろす。
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