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短編集
息子溺愛パパ【TOS】

常々、疑問に……いや、酷い!とか思う事があるんです!
いくら長い間離れ離れになっていた息子がいるからって!



息子溺愛パパ



戦闘になると凄く目立つことがあるんだよね。ほら、今まさに――。

「ファーストエイド!」


戦闘中、クラトスのとある行動。というか治癒術。まあ、ここまではいいんだよ…ここまでは。
問題は誰にかけたか――いや、そんなの簡単なんだけど。それは私以外の誰かにかけたってこと。

「……く、クラトス…私にも」

私だって死にかけてるんですよ…えぇ、今の戦闘でね、傷ついているんですよ!
私だって半ば前衛なんだよ!?(細かく言えば中衛だけどさ)ってかほぼ前衛の役割を担ってるんだ!
いろいろと傷ついてるんだよ。なのに――


「先にロイドを回復するってどういうこと?」

ロイドを気にかけるのはわかるんだけど……私だって、ロイドと同じくらい、いやそれ以上傷ついてるのになんで!?
なぜクラトスはロイドを贔屓するの?

「カナから負のオーラが見える……」

「姉さん、カナにヒールかけてあげなよ」

「えぇ……そうね――ヒール!」


心優しいリフィル先生が私にヒールをかけてくれた。ありがとう、先生。これで生き返ったよ!クラトスに文句を言える程生き返ったよ!

「クラトス!」

癒やしてもらってすぐに、クラトスのところにズカズカズンズン行く。当の本人は私の声に反応したけど、これから起きることが何かまではわかっていないっぽい。

「なんだ?」

ほらね、いつもと同じあの冷静な態度だ。

「なんでロイドのほうが回復先なの!?」

私のほうが傷ついてたよね?って付け加える。どうみたって私の方がロイド以上にボロボロだったよ?それなのに――。なんで、なんでいつも――

「ロイドが先だなんておかしいよ!」

絶対、絶対おかしいよ!

「すまない」
「――ですむと思ってるの!?」

これが一度や二度だったら私も許すよ。そんなことで怒ったらリフィル先生に怒られるし、ジーニアスが呆れるからそんなことはしない。
だけどね…このクラトスの行動は。

「何回目だと思っているのよ!」

「本当にすまない、カナ」

クラトスがいつも以上に謝る。
これもこれで見物かもしれない(なんて思ってる私はきっと変人だ)

「いくらロイドがクラトスのむ……――」

息子だからって言ってもって言おうとしたら、クラトスに止められた。
「言うな」みたいな感じで。

「どうしたんだ、クラトス?」

「なんかいつもと違うけど大丈夫かな?」

ロイドやコレットが心配するくらい、挙動不審なクラトス。

「次からは、お前にも気を配る」

「しっかりしてよね、魔法剣士サン」

次、私の回復忘れたらタダじゃすまないんだから。

「だが、カナ」

「なに?」

「先ほどお前が言おうとしたことを再度口にしたら私は、回復はしないからな」

そんなに、バレるのが嫌なんだねクラトス。目の前にいるロイドが息子だってバレてしまうのが。


「りょーかい。クラトスも、周り見てね。一人だけじゃなくて」



クラトスが息子を溺愛してるってのはよーくわかったから







.
(なぁ、カナ)
(なにロイド?)
(さっきクラトスになんて言おうとしたんだ?)
(あぁ、あれ…あれはね――)
(カナ先ほどの約束は覚えているな)
(…あー、えっと内緒?大人の秘密?)
(なんだよそれ)








→元ネタ

暴走しまくりのお話なんで、補足説明です。
この話は、管理人たちが「クラトスってなんかロイドによくファーストエイドをかけるよね?」なんて話から生まれたものです。
きっと、それは息子への愛(?)なんだよみたいな形になったのでそれを物語にしてみました〜。
と、こんなとこでネタあかし

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あきゅろす。
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