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中編
しーち

委員長が俺達図書委員の前に立って喋っている間、俺はただずっと委員長を見ていた。
だって、こんな時でなきゃこんなに長く、しかも堂々と見れない。第一学年が違うから毎日見れる訳じゃない。
真剣な表情の委員長の姿は本当にカッコいい。出来る男って感じだ。女子にも人気だし、尊敬している人はきっといっぱいいるだろう。
顔も整っていて、更にスポーツも勉強も出来る。人気が出ない訳ないけど…俺からしてみればおもしろくない。
付き合ってもない…ましてや男の俺が男の先輩に嫉妬なんておかしいかもしれないけど、仕方ないじゃないか。




本気で好きなんだ。俺は、この人が。





じっと委員長を見続けていると、ふと目があった。
まさか目が合うとは思っていなかったので、驚いて動揺してしまう。俺の反応を見た委員長が眉間に皺を刻んだ。
え、何?
俺、何かしたっけ?!


「西花、お前…俺の話を聞いてたか?」


その言葉に俺はキョトンとなった。
それに何を思ったのか、委員長が今度はニッコリと微笑む。


「よし、西花。ここの図書室はお前担当に決定だな」
「へっ?」


ここの?
俺担当?
何のことか全く分からなくて、頭が混乱してきた。


「ということで、ここの図書室は俺と西花になった。あとの他二つの図書室は利用者も多く忙しくなるだろうから、残った皆で場所と日にち決めるぞ。都合が悪い日があれば遠慮なく言ってくれ」


俺の混乱を他所に委員長はどんどん話を進めて行く。
委員長は、それから10分もしないうちに手早く話をまとめてしまった。
置いてけぼりの俺は、それを邪魔することも出来ず、呆然と見てることしか出来ない。


「当番表は、担任の先生に渡しておくからそれぞれで貰うように。当番はさっそく明日からだからな。忘れるなよ。では、解散」


次々と委員達が帰るなか、俺はぼーっとそれを見送る。
同級生の男子や仲のいい先輩達の数人から「ありがとう。俺達の救世主」、「頑張れよ、西花」という励ましや応援の言葉を笑顔や苦笑で送られた。なかには、肩をぽんぽんと励ますように優しく叩いてくれた人もいた。
意味が分からなさ過ぎて、どう反応していいか分からない。


「西花」


名前を呼ばれた方向へ視線を向けてみると、笑顔の委員長がいました。
完璧過ぎる笑顔で、隣の席へ座るようにも促される。


「色々と説明がある。こっちへこい」
「…ハイ」


あれ?
委員長、確かに綺麗な笑顔なんだけど…黒いよね?
あと、それ説教も込みですよね。ごめんなさい。



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あきゅろす。
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