No.006
The world where I am not used to
あたしがこの世界に来て数日経った。
卯の花さんが治してくれた傷は完治はしたが傷が残ってしまった。
あたしは今、冬獅郎くんが隊長を務めている十番隊で仕事をしながら死神としての勉強と修業をしていた。
勉強は1人でもしてるのだが、修業は時間のある隊長さんや副隊長さん、席官さんが付き合ってくれている。
みんな親切だけど、あたしはこの世界慣れることが出来ないでいる。
「緋色?どーしたのよ、ボケっとしちゃって……」
バッと目の前には乱菊さんの顔。
どうやら、あたしは隊舎で書類整備をしながらぼーっとしてたみたいだ。
「乱菊さん…何でもないですよ。少し、考え事をしてただけですから」
「そう?具合悪くなったらすぐに言いなさいね?隊長に書類やらせて帰る用意しちゃうから!」
「松本…!
…まあ、具合が悪くなったらすぐに言え。お前の分だけはやっといてやるから」
「…ごめんなさい、ありがとうございます。でも大丈夫、本当に、考え事をしてただけだから」
心配そうな顔をした2人に、あたしは笑いかけてから、また書類に目を通しはじめた。
「(そういえば、神社に巻物があったな…あれの中に、なんか書いてないかな…?)」
もう帰れない日常を目に浮かべながら。
慣れない世界
(たまに感じる氷のような)
(冷たい視線が)
(とてつもなく怖かった)
090307
九条雨音
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