No.001
The Warking in the prison
「っ…」
身体に走る痛みに顔をしかめてあたしは目を覚ました。
動かない身体に遠慮することなく走る痛みに耐えながら、あたしはゆっくりと首を動かす。
「牢獄…?なんで…」
首を動かして目に入ったものは、映画とかで見たあの牢獄。
入れられるようなことをした覚えもないし、はっきり言うと何故斬られたのかもわからない。
「……わけわかんない」
本当にただの中学生のはずなのに、どうしてこんな目に遭わねばならぬのかがわからない。
一護お兄ちゃんに逢いたい…今度ケーキ奢ってくれるって約束したし、一心さんはあたしが受験に合格したらパーティーしようって言ってくれたのに…。
そう考えると、涙が溢れ出てきて、止まらなかった。
「最悪……っ」
ただ、泣くことしか出来ない自分に悲しくなるし腹が立つ。
流れる涙を止める方法なんて、あたしは知らない。
知らなかったんだ。
牢獄の中での目覚め
(独りじゃおかしくなりそう)
090307
九条雨音
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