No.000
Footsteps to the start
「コイツだな…」
「ああ…殺れ」
ごく普通の中学生でしかないあたしが、まさか知らない人に殺されるなんて思わなかった。
「魂は…送っとくか?」
「そうだな、虚ごときに喰われても困るしな」
黒い和服を着て、刀を持ったその人達は動かないあたしの頭をわしづかみ、柄頭をあたしの額に押し付ける。
ああ、いたい
しにたくない
こわい
いやだよ
そこであたしの意識は途切れた。
目が覚めたときに、自分の世界が変わってないことを静かに祈って。
始まりの足音
(自分が自分じゃなくなる)
(そんな気がしてならなかった)
090307
九条雨音
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