冒険の書
真っ白なアイツ
目を覚ました時、俺は何もない所に立っていた。
いや、立っていたというよりも浮かんでいた?
「どこだ、ここ…」
ポツリと零された言葉は白い空間に消えていく。
俺意外には誰もいないであろうこの空間。
「はぁ…」
俺が溜息をついたとき、俺以外の何かの気配がした。
「誰だ?」
振り返るとそこには金髪に碧眼の天使が浮かんでいた。
羽も生えてるし天使の輪が頭の上に浮かんでいるから天使だよな…?
「あれ、君…神野君じゃないね?」
カミノ?
誰だ、それは…
「あれ―?何で??」
何で、と言われても…
うーん、と悩む目の前の男にこちらも困ってしまう。
「…あぁ!!」
何かを考えるように目を閉じていた男が突然声を上げた。
「ごめん!間違えちゃったらしい…」
いや、何が…?
「えっと、本当ならあそこにいた男の子を迎えるはずの魔方陣が間違って君の前に現れちゃったらしい…」
ふむ、おそらく女を助けていた奴だな。
「で、俺はこの後どうなるんだ?」
存在を消されるか、記憶を消去されて元の世界に戻るか…
まぁどうなっても良いけど…
「うーん、あの魔方陣にはいくつか仕掛けをしていてね?その中には元の世界には戻れないようにする仕掛けもあるんだ…」
目の前の男は申し訳なさそうに項垂れた。
「なるほど、で…じゃあどうなるんだ?」
「そうだな、元の世界には返してあげられないけどもう一つの世界になら送ってあげられるよ!」
ぱぁっと顔を明るくして言う男。
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