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初対面ですね







なんとか興奮したマダムを宥めて今日の公判は終了。

ありがとうと抱き着いてくる長谷川さんを避けて、家で寝ている銀時が心配たがら早めに帰ろうかという時であった。


「坂田さん」


呼ばれて振り返ると、うげっ、確か銀時の恋人の土方くんだ。


「今日の公判お疲れ様です」


ニコニコと愛想よく挨拶をする土方くん。実際に会うのは初めてたけど、なかなかいい男じゃないか。


「お疲れ様」


とりあえず、銀時のフリをしてどうその場をかわそうと思案していたら、

――!!

ぐいっと腕を掴まれ奥の喫煙所へ連れ込まれる。
壁際に追い詰められ顎に手を添えられ瞳の奥を覗き込まれた。
ヤバイ?キスされる?
まぁいいか、と近付いてくる唇に瞳をつむると、


「テメェ銀時じゃねぇな」


そう低い声で囁かれた。


「え?なんでわかったの?」


土方くんはタバコを取り出し火をつける。


「あいつなら壁際に追い込んだ時点で抵抗してる」
「苦労してるんだね」
「まぁな、てかテメェ誰だよ」


教えてもいいけど黙っていた方が面白そうだから、唇に人差し指を当ててヒミツとウインクをした。それから土方くんの頬にちゅっと音を鳴らして唇をつけてさよなら〜と手をひらひらさせる。


「なっ!てめっ」


別人ってわかっていても顔は銀時そっくりの俺。
顔を真っ赤にした土方くんにあいつも成長したらこんなふうになるのかなぁと、まだ学生な自分の恋人を重ねた。









2009.02.08


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