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「…よし。送ってみるぞ」

「うん」

(カチッ)

「……」

「……」


画面:送信が完了しました


「おおおっ。できた!」

「はは。よかったね」


イケメンはメールと電話さえ使えればよかったらしく、嵐にも教えることができた。
(教えると言ってもメールの打ち方とかそんなんだが。ちなみにイケメンは嵐と同じでガラケー)

「けどこんなにもあっさり送れるんだな」

イケメンは感心したように呟く。

「そうだよ〜。てか今までケータイなしでどうしてたのさ」

嵐は素朴な疑問を投げかけてみた。

「メールはパソコンでしてたんだ。けど緊急時に連絡がつかないから持てって言われてな。でもうまく使えなくて困ってたんだよ」

「なるほど。とりあえずそっち方面は全然現代っ子じゃないことがわかった」

「?」

不思議そうに首をかしげる。
キョトンとした顔もかわいい。
けどイケメン。
マジ萌える、と嵐はグッと拳を握り締めた。

「そういえばお前、よくこんなとこにいたな」

「え?」

今度はイケメンが嵐に質問をする。

「ここって、俺が1人でゆっくり休みたい時に来るんだけど、今までここで人になんか会ったことなかったからさ」

「あーそれが寮の場所探してるうちに迷って…って、ぁああ!!!」

「うおっ」

忘れていた。
自分が迷子だったことを。

落ち着いてきた心は、またざわつき始める。

こんな森の中じゃ誰かに聞くなんて無理じゃないか。

ぽんっと現れる救世主はいないのか。

……いるじゃないか!

「ねえお願い!寮まで案内して!!」

「え?」

嵐はイケメンに白羽の矢を立てた。

「俺、今日入寮なんだけど迷っちゃって…」

「………」

ぽかんとしているイケメンの姿に、自分自身の間抜けさが浮き彫りになっているような気がして、嵐は恥ずかしくなった。
だが今は背に腹は変えられない。

「だめ、かな…?」

返事がこない。
ダメなのか…。

「いいぞ。それくらい」

「ほんと!?」

驚きのあまり詰め寄ってしまう。

「俺も手伝ってもらったし」

「まじ助かる!ありがとう!!」

思わず漏れる安堵のため息。

この人がいい人でよかった。

喜んでいると、イケメンはただ、と話を続けた。

「?」

「ただそれを、俺から言いたかったのに、先越されてちょっとムッとしただけ。返事に間が空いて悪かった」

「…!」

誰もが蕩けてしまうような笑顔。
その笑顔に嵐は赤面する。
自分にとってその笑顔は、あまりにも眩しすぎた。

そして思う。
この人、ギャップありすぎだ、と。

一体何人その笑顔で落としてきたんだ。
というか今この微笑みを受けている自分が憎い。
なんで他の男の子じゃないんだ。←
そう考えずにはいられなかった。



今日改めて思う。
ギャップ萌え、恐るべし。

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あきゅろす。
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