2 森に入り、小1時間。 嵐は非常に困っていた。 何にかって? ……迷子にだ。 嵐は思う。 俺、そんなかわいい才能持ってないはずなんだけどな、と。 最初こそはちゃんと行けてた。 行けてたのに。 「どこだっつーのここ…」 おそらく原因は一つ。 最初の別れ道で間違えたこと。 3つほどあった別れ道には、看板などは立てられてなく、感で進むしかなかった。 そして見事に感を外した嵐は、一旦元の場所に戻ろうとするが、その行為がさらに不幸を呼び、完全に迷子になってしまったのだ。 自分がいる現在地は、もはや道ではない。 「あぁーくそ!」 こんなことなら寮まで秋人に送ってもらうんだったと後悔し始める嵐。 己の過信が恨めしかった。 「はぁ…、どうしよ」 どうしようもないこの状況。 半ば今日は野宿かと諦めていた。 その時。 「おい」 「どぁあ!?」 突然、後ろからイケボ。 ばっと振り返るとそこには 「少し聞きたいことがあるんだが、いいか?」 絶世の超絶イケメンがいらっしゃいました。 [*前へ][次へ#] [戻る] |