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クラスメイト


同じ制服に身を包んでも浦原の制服の方がカッコイイなんて思うのはどうしてだろう…。
学校指定のカーディガンはダサいからと2人揃って色違いのカーディガンを買った秋、大量生産でリーズナブルが売りの店には学生がいつだってはびこっている。二階に設置されているメンズコーナーでみつけたカーディガンはキャメル色とネイビーとブラックが揃っていて浦原はLサイズのネイビーで、一護はMサイズのキャメル色を選んだ。
最初は浦原と同じくネイビーを選んで鏡の前で合わせて羽織ればすかさず隣から野次が飛んだ。キミ、頭の色と合わせたら?ネイビー似合わないよ。しれっとした表情で毒を吐いた男はワンサイズ小さいMのキャメル色カーディガンを一護に手渡した。あまりにも自然に毒吐かれた物だから一護も普通にカーディガンを受けとってしまう。

「おま…今なんつった?」
「ネイビー似合わないよ」
「いや…その前」
「キャメル色が似合ってますよ。ほら、見て」

同じ制服に同じクラス、部活が違えど浦原の場合は帰宅部だからバイトがない日はいつだって一護の部活が終わるのを待っている。
同じ年齢だって言うのに同級生にも敬語で接する浦原は何て言うか、1人だけ変に大人びてる感じの男だった。クラスではいつでも本に目を通しているか欠伸をしているかのどっちかであまりクラスメイトと話しはしない。イギリス人とのハーフでべらぼうに顔は整っちゃいる浦原が告白された所なんて見た事もなければ聞いた事もなかった。浮かず、溶け込まず、ただ学校に来ているだけ。
同級生からもクラスメイトからも遠巻きに接せられている浦原だが、一護にだけは普通に接してくる。仲良くなったきっかけ、元を辿れば入学式の日だ。女子と間違えられた事に対し切れて浦原を殴った事が始まりだった。

「ね?ぴったり」
「んー…でも俺もネイビーが良い」

鏡に映るのはキャメル色のカーディガンを羽織った自分自身とネイビー色のカーディガンを羽織った浦原。ネイビーのカーディガンを羽織った時より浦原に言われた通りに着込んだキャメル色のカーディガンの方が自分にしっくりきてる感じがして少し腹が立つ。
服を買いに行く時は必ず浦原と、が主になってしまったのには訳があった。一護とは違った服装の浦原は一護が普段選ばない様な服を持って来て一護に合わせる。最初はこんなの着ない!と言い張っても試着してみれば面白いくらいに似合っているのだ。まるでパズルのピースがかちりとはまった感じの気持ちよさ。浦原と遊ぶのは他のクラスメイトと遊ぶよりも百倍楽しかった。

「ネイビーよりはキャメル。」
「うーん…」

未だ粘る一護の頬を取って鏡に向かせる。

「僕が似合うのは髪が派手だから、逆にキミは髪の色と対照的なのは選んじゃダメ。表情が曇ってしまう。敢えて同色がいいよ瞳の色と同じだし」

ね?
無表情で極当たり前に言われたんじゃあ一護もそうかな?と納得せざる得ない。再度見てみた鏡の中の自分。ド派手なオレンジ色と優しいキャメルカラーがとてもマッチしていてネイビーよりはしっくり落ち着いた感じに見せる。ちくしょう、ぼそりと呟いてさっさとレジへと向かう浦原の後へと続いた。


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