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キリリク
不良でもお母さん!


「雅弘!雅弘!起きろ!!!」


「ふぇ?・・・まだ寝るぅ・・・。」


「起きろぉおぉぉぉぉぉおおおお!!」

寮に怒声が響き渡るのは毎朝の恒例行事となっている。


「怒んないでよ、隆広ぉ。」


「うるさい!さっさと起きないのが悪いんだろう!!」


怒りながら白米を御茶碗に盛っているのは明らかに不良と思えるような恰好の男であった。


髪の色は赤く、ワックスで立たせてある。

しかし身長は平均より少し小さめのようだ。


「ごめんってぇ・・・。」


しゅーんと落ち込んでいるのはどう見ても王子様としか思えない男。


金髪を惜しげもなくさらし、瞳は青い。

身長も180はありそうだ。

そして。



「うっ!そんな顔したって許さねぇぞ!!」


雅弘と呼ばれる男はとんでもない美形であった。



「ねぇ・・・隆広・・。ごめんて・・・。」



「うるさい!うるさい!」


隆広は耳をふさぎ何も聞かない態勢に入っている。



ここは食堂。


朝を過ぎ、昼になっても隆広の機嫌は治っていなかった。


「ねぇ・・・なんでそんなに怒ってるの?いつもだったら寝坊したくらいでそんな怒んないよね?」



「・・・・。」


隆広は何も言わず、カツ丼をかきこんでいる。


「隆広ぉ・・。」



「あ!雅弘様ぁ!」


誰かが隆広たちに声をかけてくる。


「君は・・・。」

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