シリーズ
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「あー、もう!慎哉が馬鹿なことするからぁ!」
慎哉が自分の宿題をまる写ししそれが先生にばれたおかげでこんな時間まで説教されていた。
「母さん大丈夫かな?」
急いで帰っていると。
「あれ?巳継くん・・・?」
街中を歩いているのは確かに巳継であった。
(もしかして今から帰るのかな?それじゃあいっしょに帰ろうって誘ってみようかな。)
「あの・・巳継く・・。」
「へー。巳継の兄貴って普通じゃん。平凡すぎー。」
「・・・。」
「兄貴として頼りになんの?」
巳継はかっこいい男の人と話していた。
巳継の様子はいつもと違っていた。
灯といる時はいつもニコニコしていて優しかった。
しかし今は無表情でその目つきは怖い。
「あいつは・・兄貴じゃねーよ。」
「っ!!!」
(兄貴じゃ・・ない・・?)
「はは!まあ、こんな平凡じゃ兄貴とか思いたくないよね。」
灯はその場から逃げ出した。
「はぁはぁ・・。」
(どうせ平凡な俺じゃ巳継くんとなんて!)
「・・・ただいま・・・。」
「・・・おかえり・・・。」
そこでは母親が待っていた。
「母さん・・・。」
お互いボロボロと涙をこぼしている。
「何で・・灯ちゃん泣いてるの?何か悲しい事でもあった?」
「母さんこそ・・・アシュレイさんのことでしょ?」
「私はいいのよ・・・。やっぱりあんなかっこいい人が母さんなんて選んでくれる訳無かったのよね。夢を見せてくれただけで幸せだわ。」
「母さん・・・。俺・・・。」
「ごめんね、また灯ちゃんに迷惑かけちゃった・・。」
「そんな!俺は母さんが幸せならそれでいいんだ!」
「灯ちゃん・・。」
「母さん・・・。」
ふえーと2人で泣いていると、すさまじい音が部屋に響いた。
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