涙の王国(完) トキ 「タナトス!」 ルクが悲鳴を上げる。 「アナキー、ルクくんに近づくな。」 ルクに触れようとしたアナキーが後ろへとのけぞる。 「危ない危ない。何をなさるのですか、トキ王子?」 「もうお前の好き勝手にはさせねえよ。」 「ほう。まぁあなたがマグライアの女王と繋がっていることぐらい分かっていましたよ。あなたとエリュシオン女王には見張りがついていましたからね。」 「その割には俺達のこと分かってねえな。エル!」 「あら、せっかちですこと。」 するとエルの手を縛っていたロープがぶちりと切れる。 そしてトキが投げてきた武器を受け取り、自分を拘束していた男を切りつけた。 「トキ!ここはとりあえず逃げましょう。ルクを渡す訳にはいきませんわ!」 「了解!」 「はえ?ほえ?」 一方全く状況についていけてないルクの頭はパンクしそうになっていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |