涙の王国(完) ・ 「だっだめえ!!」 ルクが激しくゾルを突き飛ばす。 「ルク!!」 座り込んでカタカタと震えるルクをなだめるようにタナトスが頬を舐める。 「え?なになに?もしかして嫌だった?ごめんねぇ?」 「どういうことか説明して頂けると嬉しいですわ、タナトス殿?」 エルが聞く。 「・・・・。」 「黙秘ですか?」 「・・・俺が言うことじゃないからね。」 「・・・説明します。」 ルクが顔を上げる。 「ルク、大丈夫?無理しなくていいんだよ?」 「大丈夫・・。ゾルさん突然ごめんなさい。僕は人の魔力を吸い取ってしまうんです。しかもそれを自分でコントロールできません。突然相手が倒れてしまうくらいの魔力を吸い取ってしまうこともあります。」 「そんなことってあるの?」 ゾルが驚きの表情を浮かべる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |