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□■katsuragi×Konatsu List
fall in Love......

その眼差しの先に在るものを、私にも見せて下さい。

少しあなたの荷物を私が持ってあげましょう。

さぁ、お行きなさい。

あなたが見つめる先に在る、あなたが行きたい場所へ。

















fall in Love......

















「はじめまして」





コナツが挨拶をする時には既に何かを感じていたのだと思う。





あれから2年。





今、カツラギの腕の中で、震えながら嗚咽を堪えるコナツ。

優しくコナツの背を撫でてやるが、一向に治まる気配は無い。





いつも、コナツは悩んでいる。

ヒュウガのベグライターになった事。

自分が皆に迷惑を掛けているのでは無いかという事。

押しつぶされそうになる前にと、カツラギは手を差し伸べた。





「コナツ、何も言わずにこちらにおいでなさい。何も考えず、さぁ」





抱きしめた。





「な・・・っ。カツラギ大佐!?」





「何も考えてはいけませんよ」





逃げようとする身体をぎゅっと腕に収める。

からからに渇いたコナツの心を少しでも癒せるように。





ただ、それだけ。





今はそれだけ。





それだけに、しておきましょう・・・。









やがて腕の中のコナツは震えだし・・・涙を必死に堪え始めた。

コナツが抱えている不安と恐怖はカツラギの想像を超えているだろう。

過去を辿れば当然の事。







ならば、ほんの少しだけでも、軽くなるように。

抱きしめる腕はコナツの求めるものとは違うけれども。







この子がつぶされてしまう前に。







ヒュウガは気づけとサインを送っているが・・・時々こうやって慰めるような同情も必要だ。

真っ直ぐにアヤナミを見つめるヒュウガの目線にはコナツは背にある。

背を預ける意味をコナツが知り尽くしているからこそ。

時折発作のように起こってしまう涙を溜めてしまっているのだ。





それならば、私が振り返ってコナツを正面から抱きしめてあげましょう。

コナツが泣けるのであれば。





やがて嗚咽は泣き声に変わり・・・。





呼吸が乱れてくる。





ひくっ、ひくっとしゃくりあげる息が・・・、とても苦しそうに。





「あ、あ、あ、ひゅっ・・・ひゃっ・・・・・・」





「コナツ?」





身体を離すと苦しそうに顔をゆがめているコナツが。





過呼吸?





「ひゅっ・・・はっ・・・」





手が震えだし、コナツの顔が恐怖に襲われる。





「コナツ!」











































これがはじめての口付けだと・・・。





















なんと皮肉な事か・・・。













落ち着きを取り戻して行くコナツを、抱きしめることしかできなくて・・・。















太陽の様な髪に口付けを落とした・・・。

































私からの愛情がこの子の負担にならないように・・・そっと見守るだけ・・・。











END



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あきゅろす。
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