□■katsuragi×Hyuuga List
それが日常、
アヤナミ様の傍から、今日も執務室を眺める。
アヤナミ様が機械的に書類作業を完璧にこなしていく目の前で、ふら…ふら…と居眠りをする者が一人。
アヤナミ様が僅かに顔をあげて威嚇オーラを放っても、我関せずといった調子で ゆっくりと船をこぎながら惰眠を貪っている。
アヤナミ様は少々しかめっ面をするものの、結局のところ「構う方が無駄」として、怒りたいところを呑みこんで仕事に精を出している。
ふら…ふら…と、規則正しくも危うい感覚で 居眠りをし続けることを アヤナミ様が本気で怒る前に辞めさせなければならない。
アヤナミ様が鞭に手をかけかけた時、私はそっとアヤナミ様の手を抑えて私が起こしにいきますと目で伝える。
苛立ちを抑えきれぬ視線をぶつけられたが、わざわざ自ら手を制してきたという行為に対して アヤナミ様は鞭をおさめてくださった。
それでは、と私はヒュウガの傍に近寄った・その時だった。
スパーン!と小気味いい音と共に、不要となった書類で コナツがヒュウガ少佐の頭を引っ叩いたのだ。
「〜〜…いったー…ちょ、コナツ!!なになになにっ」
「何でもナニでもありませんよ、ヒュウガ少佐…」
「えー…もう一体何が起きたのさーもうー…」
「………私が席を外した途端、アヤナミ様達の前で堂々と居眠りとは何事ですか………」
「ぇー?…まぁ、うん。お昼寝?っていうか、そんな感じかな。」
のほーんと悪びれもせず答えるヒュウガの答えに、部屋の温度がとある人物を中心に五度ほど下がった気配を感じた。
これはまずい、と思い流石にヒュウガを嗜めようとした時。
再度、思いっきり不要書類でヒュウガの頭をコナツが引っ叩いた。
それは私がヒュウガに触れかけようとした、まさに瞬間だった。
この事態に呆気にとられ、行き場を無くした手をそのまま下ろすと、私はヒュウガからコナツへと視線を移した。
すると、明らかな敵意を含む視線。
その目をみて、一瞬何が何だかわからなくなったが すぐに納得した。
つまりは、そういうこと・ですよね。
アヤナミ様や私に触れられるのが嫌なんでしょう。
それをヒュウガに多少怪我を負わせてでも阻止しようとするところに少し子どもじみた我ままを感じた。
睨まれた目に臆することなく微笑んだら、ますます睨みつける視線がきつくなったが 何てことはない。
ヒュウガに親しくすれば、誰だってこうなる。
それが彼を取り巻く日常、なのだ。
END
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