[携帯モード] [URL送信]

ホフク前進
ページ:4
俺と井坂は帰宅の道を進む。
当然だが、通行人の皆様は俺の華麗なる匍匐前進に釘付けになっている。
いつも時間の重なる人々は気にしていないようだが、たまたま通りかかった人々は、まさに目が張り付いてしまったかのように俺を見る。
中には携帯電話で写真を撮ろうとする輩もいるが、なあに、心配することはない。
俺の素早い動きは、一枚の静止画に収まりきる物ではないのだ。
妹の瑠奈に何度も撮らせて訓練したのだから間違い無い。
あいつらの携帯画面には、何者か分からないほどブレた無意味な画像が残るのみだ。
俺の匍匐前進は風を斬るのだ。
まあその分…
「ハァ…ハァ…おい待て…!追いかける俺の事も考えろおおおおお!」
井坂にはいつも迷惑をかけているが
「お…おま…どういうアレでそんなに速く動けんだよ…。匍匐で…」
ふ、情けないぞ井坂。
もっと体を鍛えてはどうだ。


[*前へ]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!