語る言葉をもたない、言葉では語れないから。
※其の参「無様なのは嫌いです、そんな私が一番無様なのですけれど。」徳勝視点
お役人様と言い争う、お唐さんの姿を見つける。
陽七の後を追ってみたが、どうやら彼女は店の存亡の話をしていたようだ。
本能的に、何か強い危機感を覚えた。
「底辺共が、勝手に騒いでろ。いずれお上から直接裁きを受けるようになるからな」
底辺。
確かに商人は賤しいだろう。
理不尽に生きてきたのか、その時のお唐さんの瞳はどこか静かな悲しみと怒りに満ちていた。
強い、危機感を。
語る言葉をもたない、言葉では語れないから。
(ただただ、背筋が凍りつく)
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