忘れないでいて、振り返るのも立ち止まるのも、弱いことなんかじゃない。
たった一週間ほどで、陽七は仕事を次々と覚えていった。
初めて出会ったあの時より、格段に立派になっていた。
お澄さんや末吉君とも親しくなったようだ。
これからは少しでも、毎日がより楽しくなるだろう。
お唐さんとも、変わらぬ関係を築けているようだった。
お唐さんという、素晴らしい存在に改めて気づいたらしい陽七は、これからもっと彼女を大切にしていくだろう。
端から見れば本当の親子のような、美しい二人。
陽七にはきっと彼女のような存在が、母親が必要なんだ。
これからも、ずっと二人には幸せにあってほしい。
そして、私達も。
吉原はずれ 其の弐 完
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