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きみが誰よりまぶしいのは、きっと太陽にさえ愛されているから。



話の間、澄は目を伏せたまま昔に思いを馳せているようだった。

「…それから、徳勝さんとはずっと仲良くさせていただいているんです」

漸く口を閉ざすと、陽七ににこりと笑いかける。台所からは、うっすらと湯気が立ち上っていた。

「徳勝さんとは、あの人が導いた不思議な縁で繋がっているんです。…きっと陽七君も、徳勝さんと何かの縁があったんでしょうね」
「…美月さんとの、縁…」
「お澄さん、陽七、お茶が入りましたよ」

和菓子と茶の乗ったお盆を手に戻ってきた、徳勝と末吉。
表座敷で四人、おやつを食べる。

「…おいしい」
「徳兄ぃ、ボク、昨日寺子屋で誉められたんだよ!」
「そう、良かったですね末吉君」
「それとねそれとね!」
「……末吉君って、美月さんと仲良いんですね…」

草餅を頬張りながら徳勝に話しかける末吉を見て陽七が呟く。ええ、と澄が笑いかけ、末吉の姿を眺めて微笑んだ。

「あの子は本当に、徳勝さんが大好きなんです。幼い時分からお世話になっていましたから」
「……去助さん、でしたっけ」
「え?」
「帰ってくると良いですね、お父さん…末吉君、寂しいでしょうからね」
「…陽七君って、大人なのね」

澄の言葉に、陽七はえっと驚いて彼女を見た。

「あんなに末吉がつっかかっていたのに…もうあの子の心配をしてくれるなんて」
「……親がいない寂しさは、僕も分かる気がするので」
「陽七君…そっか…」
「昔はある女性が親代わりに育ててくれたんですが…本当の親はどこにもいないと思うと、寂しくて」

脳裏に、お唐の姿が浮かぶ。母親に近しい愛しさは覚えても、拭えない本物への羨望。

「僕も末吉君みたいに、美月さんを父親だと思って生きてみようかな、と思うんです。でもきっと、末吉君には絶対どこかにいる“その父親”が必要だから」



ふと見た徳勝と末吉の姿は、親子と見紛うほど美しく釣り合っていて





きみが誰よりまぶしいのは、きっと太陽にさえ愛されているから。





(何故貴方はそこまで、美しい)

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