いかせたくない、だけどあなたが笑うから。
※其の弐「貴方がずっとずっと笑っていてくれたら、途方もなくそう願う。」お唐視点
その人の話をしている時、陽はとても幸せそうだった。
見たこともないくらい、明るく笑っていた。
「家族が出来た」嬉しそうにそう言っていた。
嬉しいはずなのに、
あたしはどうして、こんなに寂しいんだろう。
いつも、追い払うみたいに陽を帰してるけど。
今日だけは、今だけは、帰したくない。
「そろそろ店始めるよ。陽がこんなとこにいたんじゃ、客に勘違いされて指名されちまうよ」
あたしの理性はまだ、感情に負けない。
いつか陽が本当のことを知るその日まで
絶対に
いかせたくない、だけどあなたが笑うから。
(アンタの幸せを、一番に願ってるから)
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