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「ったく…お前がタラタラしてっから、クロウのじいさんに怒られただろ…!」

一本の木の傍らで、ロークスがそう言ってカストフを睨む。ごめんよー、と笑ったカストフは、「でも」と言葉を続けた。

「タンナが速すぎるんだよー」
「…確かに」
「え?そう?」

けろっとした表情で振り返るタンナに、二匹は思わず顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。

「それよりほら!この木の樹液、美味いだろ!」
「そうだねー」
「まあ、それは…」
「昨日見つけてからさぁ、ずーっとお前らに教えたかったんだ!」

そう言ってぱぁっと笑顔になるタンナ。カストフとロークスは、それを見るなりやれやれと肩を竦めた。





「おはようございます!クロウさん!」

朝食を終えた帰り道、通りかかった穴蔵に声をかけるタンナ。気まずい顔のロークスの隣で、カストフが一つ欠伸をした。

「ん…タンナか、おはよう」
「あのさぁクロウさん!俺達、今日は西の湖に行こうと思ってるんだ!」
「おー、そうか…水には落ちるなよ」
「はい!行って来まーす!」

威勢良く頷いたタンナは、二匹の元へ戻ると先を急ぐように飛び去っていく。

「まったく…朝から元気な奴だ」

後を追うように二匹が消えていくのを見て、クロウは満足そうに鼻を鳴らした。



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