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「ビルドは、まだ帰らないか」

日も登りきった頃、優しく訊ねたクロウの言葉に、ラフィは短く頷いて顔を覆った。話を聞きつけてやって来たミラルとフリッティが、慰めるようにそっと背を撫でる。

「……ただでさえ夜行性のビルドだ、子供とはいえニンゲン相手では…」
「まだわかりません…っ!」

唸るクロウに涙声で食い下がるラフィ。そうだな、と重く答えれば、ラフィはまた不安に項垂れた。
その時、一層喧しい羽音を立て数匹の虫達がクロウの元に飛んできた。

「クロウさん!クロウさん、ビルドさんがっ!」

その名前に、ラフィが顔を上げる。息を荒げる虫達を宥め、クロウは続きを促した。

「ビルドがどうした、無事だったのか」
「っ…はい、彼は無事に帰ってきたようです、ただ…」

それを聞いて、ラフィは体の力が抜けたようにその場に崩れた。ミラルとフリッティが良かった良かったと励ます中、クロウは表情を変えずに言葉を返した。

「ただ?」
「……クロウさんに、話したいことがあると。そう言ったきり、青い顔のまま何も話さないのです」
「すぐに行こう。彼は今どこに?」
「花畑で休ませています」
「よし。ラフィ、お前さんも来るか」

ラフィが頷いたのを認めると、クロウは花畑へと素早く飛び立った。後には、ラフィと数匹の虫達が続いた。



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あきゅろす。
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