[携帯モード] [URL送信]

   

体がとても重たい・・・。
そしてあちこち痛い。







「化け物!」


目の前にいる女がそう言って僕を殴ってくる。
とても痛い。




「あんたなんて生まれてこなきゃ・・・!」


女は刃物を手に持ち僕に近寄ってくる。



「やめてっ!母さん!!」


自然と出た言葉・・・。
この女は母親なのか・・・?



「私はあんたの母親なんかじゃないわ!
私の子じゃない!私の子はあの子だけよ!」


女は後ろで眠る赤子を指指しながら言う。


じりじりと女は僕に近付いてくる・・・。




「直ぐにこうするべきだったんだわ・・・だってこれは手違いですもの」


そう言うと女は手に持っている刃物で僕の首を切った。



「ははは!そう!最初からこうすれば良かったの・・・
そう、最初から・・ね。私ったら馬鹿ね、ふふ」





この女、狂ってる。


切られたところから血があふれ出てくる。

生暖かく、気持ちが悪い。




だんだんと意識が朦朧としてきた。

僕は床に倒れた。








「ひいっ!!!」


突然女が悲鳴に似た声を上げる。




「なんて事をしてくれる・・・。そいつは―――だ」


男の声が聞こえてきた。



「そ、そんな事言ったって・・・貴方はずっと」

「だが、お前はスライの世話をすると約束をしたはずだ」

「ちゃんとやってたわ!」

「黙れ。殺そうとした、約束を破ったのと一緒だ」

「でもこの子はまるで化け物よ!たった―――で生まれてきたの、それに・・・」

「・・・そうか」


男はやけに嬉しそうに言う。



「何で嬉しそうなの・・・?気持ち悪くないの?」

「・・・お前は自分の血筋を知らないのか?」

「何の事よ!?」

「・・・・・・まあいい、この子は俺が連れて行く。・・・それに、早く治療をしないとな」

「そんな子さっさとつれていってちょうだい!!」




男が僕を抱き上げる。


「スライはいい子だ・・・」


男はそう呟いた。


    

[次へ#]

1/4ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!