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天使の微笑み(9000hit)
サニー号が現在停泊している島は、ログが溜まるのに約半月かかるいう。
「参ったわね…半月もこの島にいなくちゃいけないなんて…」
航海士のナミは頭を悩ませていた。
というのも、この島の物価はとても高く、何を買うにしてもお金が必要以上にかかるのだ。
「今回は服なんて買ってる場合じゃないわね。次の島までの食料は必要だから…サンジ君、何とかうまいこと節約できるかしら?」
「もっちろんです!!一流コックにお任せあれ!!」
ナミから最低限の食費をもらい、荷物持ちの恋人・ゾロを引き連れサンジは街へ繰り出した。
「うわ…こりゃ詐欺だぜ。何で米1kgで5000ベリーもすんだよ!!これなんて見ろ、キュウリ1本500ベリー…質も良くねぇ…」
「仕方ねぇだろ。それがこの島じゃ当たり前なんだからよ…」
「うるせぇ!マリモは黙ってろ!値切ってくるからテメェはそこで大人しく待ってろ!」
食料の事には口を出しても無駄だと分かっているゾロは、大人しくその場で待つことにした。
「いや〜言ってみるもんだな♪」
「安くなったのか?」
「おう!気さくな店主だったぜ♪」
「そうか」
戻ってきたサンジの両手には、大荷物が抱えられていた。
ゾロはそれを受け取ると、次の店へと黙って付いていく。
しかし何軒か店をまわって順調に品物を安く購入していくサンジを見て、ゾロはふと思った。
(………………)
「なぁオヤジ、これ、もう少し安くなんねぇかな?」
「う〜ん、それはちょっとなぁ」
「じゃあこれは?」
「…ぅ…よし、仕方ねぇなぁ。1000ベリーでいいよ!」
「本当かっ!?ありがとよっ!」
「……〜っ、こっちもオマケだ!持ってけ!」
「えっ、いいのかぁ!?」
「あぁ!お兄ちゃん、綺麗だからサービスだ!!」
店主とサンジのやり取りを見て、ゾロは気付いた。
こうも値切りがうまくいくのは、サンジの容姿とあらば容易いことかもしれない。
どの店員もデレデレと鼻の下を伸ばしてだらしない顔をしながら接客している。
サンジは無意識にやっていることかもしれないが、お願いするときに小首を傾げて上目使いなのだ。
しかも、交渉成立したときのサンジの笑顔といったら、それはもう天使の微笑みの如く。
「………チッ」
ゾロは面白くなさそうに舌打ちすると、眉間にシワを寄せて不機嫌そうに目を逸らした。
(…誰にでも笑顔振り撒きやがって)
モヤモヤとした気持ちがゾロの心を取り巻いたが、それも節約の為だと思いその感情を揉み消した。
一方サンジは、かなりご機嫌な様子。
「ナミさんから貰ったお金、結構余ったな…この分だとお前の好きな酒も買えそうだな♪」
「…あぁ」
「じゃあ酒買ったら一旦船に戻るか…おっ、酒屋発見!ちょっと待ってろ」
そう言って酒屋に入っていくサンジ。
ゾロは店の外で大人しく待った。
(…アイツは気付いてねぇんだ。自分がどんだけ魅力的かって事を)
酒屋の窓から中を見ると、若い男の店員が接客しているようだった。
相変わらず天使のような笑顔で話すサンジに、店員はやっぱりデレデレな様子だ。
もう暫くの辛抱だと思い苛つきをグッと堪えるが、いくら待てどもサンジが戻ってくる気配がない。
(…クソ、いつまで話してやがんだ…)
何やら楽しそうに話し込んでいるようで、ゾロはさらに不機嫌になった。
「ゾロ、待たせたな!酒まで安くしてもら、って…」
「来い」
軽い足取りで戻ってきたサンジの腕を少し乱暴に掴むと、ゾロは船に向かってずんずんと歩き出した。
「ちょっ…おい?」
「…………」
「っ、なぁ…?」
「…………」
「…ゾロっ、手ぇ痛い…っ」
「!………悪ィ…」
サンジの声にハッとしたゾロは、掴んでいた細い腕を慌てて離す。
「…何だよ、いきなり…っ俺、何か怒らせちまった…?」
困惑したサンジの表情を見て、ゾロは自分の器の小ささを反省した。
「………いや、テメェは悪くねぇ…」
「………?」
「……気にすんな」
「……んだよ、明らかに不機嫌じゃねぇか…」
不安気に揺れるサンジの瞳が、ゾロを捉えた。
「…………」
「……気に、食わなかった」
「……え…?」
「……島の連中に愛想振り撒いてるテメェ見て…何つーか……嫌だったんだよ。俺以外に笑いかけてんのが」
「………!!」
「…そんなんで苛ついてる自分が…もっと気に食わねぇ」
そこまで言うと、ゾロはサンジから背を向けた。
「………………忘れろ」
「……………」
「…荷物寄越せ、船に戻るぞ」
サンジの手から荷物を無理矢理奪うと、ゾロはスタスタと歩き出した。
暫く呆然としていたサンジだったが、ゾロを追いかけるように駆け寄ると、その広い背中に思い切り抱きついた。
「!!っおい……?」
「……ゾロ」
「……何だよ」
「……船はそっちじゃねぇ…」
「………………」
「…あと……それってさ…ヤキモチ…?」
「……………うるせぇ」
ゾロの表情は分からないが、少し耳が赤くなっていることに気付いた。
「なぁゾロ…?ゴメン、俺…ちょっと嬉しかったりすんだけど」
「あ?俺はムカついてんだ」
「でも、俺は嬉しい」
ゾロが振り返ると、サンジの表情はさっきと比べ物にならないくらい嬉しそうな笑顔で。
「〜〜……チッ、人の気も知らねぇで………だいたいテメェはそんなんだから危なっかしいんだ」
「ん?なにが?」
「……たっぷり体に教えてやるよ」
「えっ?ちょ…」
先程までの態度はどこへやら、再びいつもの悪そうな顔に戻ったゾロ。
船に戻ると、2人は格納庫へと直行した。
――――……‥‥
「ひぁっ…な、んだよぉ…あっ…いきなり…ん、昼間から…あぁっ…」
既に丸裸でゾロに組み敷かれているサンジは、後ろの蕾を太い指で掻き回され惜しげもなく声を漏らす。
「やぁん…ゾロぉ…あっ…!」
「…テメェ…自分が他の奴等にどんな目で見られてるか知ってるか…?」
「あっ、そ…なの、分かんな…あんっ…」
グチュグチュと厭らしい音をたてて、ゾロの指がサンジを犯す。
「…俺だけでいいんだよ、テメェがこんなに可愛くて…ヤらしいって知ってんのは…っ」
「あっ、ふぁぁっ!」
「…俺だけのモンだ…」
「んぅっ…おれ、ゾロ…だけ、だよ…っ、あ、ゾロじゃ、なきゃ…っやぁ…!」
サンジの中の指をズルリと引き抜くと、熱く成長したゾロ自身を宛がう。
「あっ…」
「…入れるぞ」
「んっ…」
ゆっくりと体内に入ってくる感覚に、サンジは小さく身動ぐ。
「ぁ…ゾロ…っ大き…!」
「お前のせいだよ…!」
自身が全て収まると、ゾロはサンジの身体をギュッと抱き締めた。
「………ロ…?」
入れたままで中々動こうとしないゾロに、サンジは掠れた声で名前を呼んでみる。
「……サンジ」
「……っあ…」
低いゾロの声が、耳から身体中に響いた。
滅多に呼ばれない自分の名前に、サンジの胸はドキリと音を鳴らす。
「…うし」
「あっ…!」
中に入ったままだったゾロ自身がゆっくりと動き始める。
「ぁ、あっ…やぁ…っ、ん!」
熱くて大きなゾロがサンジの良い所を容赦なく刺激すると、甘い声と卑猥な水音が部屋に響いた。
どんどん早くなる動きに、サンジは必死にゾロの身体にしがみつく。
「っ、は…!」
「あっ、あ!ん…っ、ふぁ…っ!気持ち、よぉ…っ、ひぁっ」
切羽詰まったようなゾロの顔が、すぐにサンジを絶頂へと導いた。
「…ぁ、やっ、ゾロぉ…も、イきそ…っ!」
「あ?やけに早ぇな…っ」
「…んゃ…っ、だ、って…!あぁんっ…や、ダメっ…出ちゃ…!っ、あぁぁっ!」
そう言うとほぼ同時に、サンジの先端から勢いよく白濁液が飛び出した。
「…っ、イッちまったか…?」
「ふ、ゃ…ゴメ…っ…」
フルフルと震えながら、小さな声で謝るサンジが可愛らしい。
「…謝んなくていい…、悪ィがもう少し付き合ってもらうぞ…っ」
「ん、あぁっ!」
イッた直後でまだ敏感な身体を再び貫かれて、サンジは甲高い声を漏らす。
「ん、やっ…ロ、…ゾロぉっ…は、ぁっ、あぁっ!」
激しく動くゾロに、サンジ自身はずっと勃ちっぱなしで。
ゾロの身体にしがみついて、強すぎる快感を必死に絶える。
「…っ、く…!」
「ふぁっ!…だ、めぇ…あっ、また…イッちゃ…!」
「あぁ…次は、一緒な…っ」
「ん、うんっ…!い、っしょ…っひぁ!」
「………っ…!!」
「あ、あっ…あぁぁっ…!!」
2人は同時に熱を放ち、お互いの身体をキツく抱きしめ合った。
「…はぁ…ん……っ」
息つく間もなく重なってくる熱い唇。
「…ふ…っ…ぁぅ…」
名残惜しそうに銀糸を引きながら唇が離れると、ゾロはサンジをジッと見つめた。
「……悪ぃ。今日は…抑えがきかなかった」
「…へへっ。珍しい事もあるもんだな、お前がヤキモチ妬くなんて」
「…うるせぇ…テメェが思ってる以上に俺は…―――」
ゾロは少し照れながら視線を逸らすと、再びサンジの唇に口付けた。
嬉しそうに笑うサンジを見て、ゾロはこれこそが本当の『天使の微笑み』だと思った。
end.
あとがき。
9000hit
繭さんからのリクエストで、
『他の男と仲良さげにしているサンジにヤキモチをやくゾロ』
でした!(^ω^)
繭さん、大変遅くなってしまって申し訳ありません!!m(__)m
しかもこんなしょーもない仕上がりになっちゃいまして…(・ω・`)
ヤキモチゾロ、書いてて楽しかったです\(^o^)/
素敵なリクエストありがとうございました!!(*^▽^)
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