[携帯モード] [URL送信]

Short
Family

「サンジィー!腹減ったぁー!
昼飯まだかぁぁ!?」

「もうちょい待ってろクソゴム!
くっつくな!!」


………



「んぐ〜っ!」

「チョッパー!
急いで食うなっつってんだろ!
ちゃんと噛んで食え!
ホラ、水だ」


………


「ご馳走様〜…」

「コラ!ウソップ!
好き嫌いすんじゃねぇ!
残さず食えっ!!」






――――――…‥






「…いつも思うんだけど…
サンジ君ってお母さんみたいよね」



「…………‥はぃ?」




Family




賑やかな昼食が済み、
キッチンでは片付けをしているサンジと、
食後のティータイムをする
ナミとロビンがいた。

突然のナミからの指摘に、
サンジの手がピタリと止まる。


「そうね。私もそう思うわ」

「ロ、ロビンちゃんまで…」


サンジが困ったような声を上げるが、
二人の会話は止まらない。


「何ていうか…
この船のクルーってみんな子供みたいなもんじゃない?
ルフィとウソップとチョッパーなんて、
ホントに兄弟みたいだし」

「フフッ。…剣士さんは?」

「サンジ君がお母さんなら、
必然的にお父さんになるわね」

「ふっ、二人とも何言ってるんですかぁ〜」



サンジは真っ赤な顔をして、
愛らしい眉毛をへにゃりと下げてしまった。
二人はそんな彼を気にすることなく、
さらに会話に花を咲かせる。


「でも、アイツはお父さんっていうか…
サンジ君の旦那様よね」


ナミが楽しげにそう言うと、
ロビンもコーヒーを片手にニコリと笑った。



「それもそうね。
…でも、さっき甲板で船長さん達にお昼寝の邪魔されて、
無理やり叩き起こされてたわ。
まるで…‥」



ロビンがそこまで言うと、
窓の外に目を向けた。

つられてサンジとナミが窓を覗くと、
そこには。



ルフィ達の遊びに、
仕方なく付き合っているゾロがいた。



「…まるで、
休日のお父さんみたいね」

「アハハッ、本当!」



女性陣が盛り上がる中、
サンジは一人複雑な気分でいた。




(…俺が…ゾロと夫婦…
てゆうか…お母さん…)



何気に嬉しかったりする反面、
男なのに"お母さん"と言われてしまったことに少し落ち込む。


片付ける手を再び動かしながら、
何だか外の微笑ましい光景から目が離せない。




「…さて、と。
部屋に戻って海図でも描こうかしら。
…ご馳走様、お母さんvV」

「Σ!?////」

「フフッ、ご馳走様」



二人はからかうように言い残し、
キッチンを後にした。


一人取り残されたサンジは、
顔の温度がどんどん上昇しているのに気付きハッとなる。





「……今日の夕食は……
おふくろの味がテーマだな…」




苦笑いだけど、
どこか嬉しそうな顔でそう呟く。


当然おふくろの味と言えば
和食で、ゾロの好物が多い。




真っ赤な顔になりながら、
お母さんという響きも悪くはないかな、
と思ってしまうサンジだった。



END.

[次へ#]

1/17ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!