小説<短編>
それは、柔らかな日差しとともに <夢小説:乃江> 霊夢 魔理沙
ある、5月の午後。神社には少しはやめの夏の日差しが降り注いでいた。
「はあ、今日も暑いわね」
博麗霊夢は縁側でお茶を飲んでいた。
「このままじゃ冬にはもっと暑くなるわね」
「・・・」
「暑さ対策に打ち水でもしようかしら」
「・・・」
「ねえ。『あなた』」
それは、柔らかな日差しとともに、
音もなくやってきた。
「・・・さっきからのはあたしに話しかけてたんですか」
「あら、他に誰がいるのよ。わたしと、あなたと・・・そこの、白黒のと」
気がつけば、神社の階段には、おかしな衣装を身にまとった金髪の少女がいた。
「おう、霊夢。じゃましてるぜ。それと、そこの見かけない顔の。おまえだれだ?」
「・・・あ、はい。私は乃江といいます。ところで・・・ここは・・・」
「また隙間のいたずらかよ。ちょっとマンネリになってきたぜ」
会話になっていない。それを見かねて、霊夢は言った。
「あんたは黙ってなさい。ところで、乃江。ここは『幻想郷』よ」
「げん・・そうきょう・・・」
「大方、どこぞの隙間妖怪があんたを連れ出したんでしょう。あんた、前の世界覚えてる?」
「えっと・・・ただ普通に、学校いって、友達と話して・・・ほんのきまぐれで屋上いって、『この世界から離れたらどうなるんだろう』とかかっこいいこと考えたりして・・・それから、急に落っこちて・・・気がついたら此処に・・・」
「それだな」
「まあ、あいつは来させるのもかってだし、戻らせるのも勝手だけどね」
「・・・?」
「これから、詳しく説明するわよ。それまで、家に居候させてあげるわ。よろしくね。乃江」
「あ・・・はい」
「私も時々見に来るぜ!」
「あんたはしょっちゅうでしょ。」
乃江は、ああ、何だか面白そうなことになったぞ、とおもった。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!