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レイニー

「まーさーくん。ずいぶん可愛い傘持ってるね。」

「あ。こんにちは。
てか、笑わないでくださいよー。母さんにこれしかないって言って持たされたんですよ。」

家にビニール傘がいっぱいあったはずなのに、母さんが前の日に要らないと思って調度全て捨ててしまったらしい。

そして、今日の朝、この水玉の傘を無理矢理持たされた。

「可愛い将君には、似合ってるよ。」

そう言って見下してくる。

「悪かったですね。可愛い身長で。」

「そうだね。可愛い可愛い。」

さらに見下し、僕の頭をぽんぽん叩く。

「……。それより、どうして先輩が僕の傘の中に入ってきてるんですかね…??」

「だって、雨降ってるし、将君はこんなにか弱い僕に濡れて帰れって言うの??酷い。」

大きい図体でシナをつくりながら話す姿ははっきり言って気持ち悪い。

「そ、そんなこと言ってませんよ。でも、先輩…、傘持ってるじゃないですか。」

そう、先輩の手にはシックな黒のストライプの傘。

「この傘がいいんだよ。」

いかにも正論とでも言うように言うが言っていることは駄々っ子と変わりない。

「じゃあ、はい。貸してあげますから、僕にその傘貸してください。」

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