お前には敵わない
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優斗とすぐに友達になれたということもあって、順調に高校生活が進んで行くと思ったおれはあまかった。
優斗と友達になったことで女子から嫌われ、クラスでは、いや学年…学校でも彼女はできそうにない。
その上、男子は何故か怖がって話しかけてくれない。
おれの様に女子に嫌われるというのもあるのだろう。おれも彼女がほしい。
まあ、休み時間はずっと優斗といるから一人になることはないし、優斗は思ったより話が合って楽しいので、いいかと思っている間に高校に入ってからの友達は優斗一人。
そして、そのまま今日から夏休み。
ゆるゆるのTシャツ、短パンという全く外に出る気のない格好だ。
もっと多く友達が作れていればたまに遊び誘われたりしてクラスの子に会ったのかもしれないが、遊びに誘われる訳もないので夏休みが終わる頃にはおれは忘れられてるかもしてない。
夏休み1日目にして、もう休みに飽きた。
1日ってこんなに長かったのか。
地元に帰ろうかな。
そんなことを何回も頭を回っていた時、玄関のチャイムが鳴った。
ピンポーン
親は共働きで、今、家にはおれ一人なので、仕方なく玄関に行ってドアを開けた。
そこには、ここ数ヶ月で見慣れた顔の男がにっこり笑って立っていた。
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