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お前には敵わない

優斗、新入生代表だったんだ。

確かに、頭良さそうな雰囲気だったな。

名前を呼ばれた優斗はしっかりとした足取りで壇上に上り、女生徒や教師までもを魅了する美声で話している。

校長の話よりみんながしっかり聞いている様な気がする。

教室に戻ると先に戻っていた優斗は女子に囲まれていた。

担任が入ってくると、女子の群れは名残惜しそうに散らばっていく。

担任は自己紹介をし、配布物を配るとその日はそれで下校だ。

また話をしたいなと思って優斗を見たが、また女子に囲まれていて、邪魔をしては悪いと思って寂しいが一人で帰ろうとそっと立ち上がる。

その時丁度、優斗が女子をかきわけておれの席に来る。

「健太。一緒に帰ろう。」

「あぁ。いいけど、あの子達はいいのか?」

「うん。それとも、健太は僕があの子達と一緒に居てほしいの?」

「そういう訳じゃないけど…。」

頭をフルフルと振って答える。

「良かった。それに、僕は健太と帰りたいから。」

じゃあ、行こ。とおれの手をとって連れていく。

外に出ると春らしい強めの風が桜とともにおれ達の頭を撫でる。

前の優斗はその風で舞い上がるかの様に軽やかにおれの方を向きながら歩く。

「健太、頭に花ビラついてるよ。」


空中歩行
(空中を歩いたり走ったりすることができる)


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あきゅろす。
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