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お前には敵わない

「佐々木といる時の健太はなんか違うから、そうだと思ってた。
それでも、言いたかったんだ。
考えてくれただけで嬉しい。
俺は健太が好きだけど、佐々木といるの時の健太が1番いいと思うから、佐々木と上手くいって欲しい。」

「宮本…。」

本当にいい奴だと思った。

「ほら、佐々木と仲直りして来い。」

そう言われおれは、駆け出す。

でも、教室に戻ると優斗は居なかった。

次の授業の前には戻ってきたが話す時間などなかった。


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健太が走って行った後、背中を押そうにも、触れることもできなくて、虚しく宙に浮かんだままの右手が力なく落ちる。

そして、カッコつける相手が居なくなった今、俺の涙腺は崩壊していた。

制服が汚れることなんて、気にしてる暇はなく、埃っぽい床に腰をおろし、袖で涙を拭った。

そんな時、健太が出ていったドアから誰かに声をかけられる。

「宮本。」

「…ごめん。今は…」

泣いてる顔を隠し、なるべく普段の声を出すように心掛ける。

「放課後、第二会議室に来い。」

それだけ言うと去って行った。

てっきり友達がこんな所で一人で座っている俺を不思議に思って話しかけただけだと思っていたのに。

なんだか違うらしく、いきなりの命令口調が気になった。


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あきゅろす。
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