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お前には敵わない

おれは1人で寂しかったこともあり話しかけてくれる宮本を拒否することはできず、優斗の言った事を聞かずに宮本と話すことが多くなった。

宮本と話している最中、優斗が見ていないか気になってチラチラ見たりしたが、優斗は気がついているはずなのに、こちらに目どころか、顔を向けてくれることすらない。

おれはずっと宮本越しに優斗の背中を見ていた。

そんな日々が数日過ぎた頃、宮本が一緒に帰りたいと言ってきた。

放課後は宮本がいつも部活で忙しいから、一緒帰ったことはない。

宮本は今日も部活があるらしく、おれは教室で待っていた。

そういえば誰かと一緒に帰るのは久しぶりだな。

前は優斗といつも帰っていたのに。

すると、扉の後ろに誰かが立っているのが見えた。

おれが気づいたのが分かると、その影が扉を開けておれに話しかけた。

「健太。待っててくれてありがとう。俺から一緒に帰ろうって言ったのに、ごめんな。」

一瞬、優斗だと思った。

そして、待ってたはずの宮本が来て、がっかりしたおれがいた。

「いいよ。宿題もできたし。」

「健太、いきなりで悪いんだけど、

…好きだ。
俺と付き合ってくれ。」

「何でおれなんか…。」

「ずっと気になってたんだ。」

「おれ、男だよ?」

「…俺、実はゲイ…なんだ。」

宮本は迷いつつも、おれの目を見て答える。

おれは宮本に告白されるとも思っていなかったし、ゲイだとも思っていなかった。

だから、凄く困惑して、目を見開くばかりだった。

「今、返事ができないなら、待つ。考えて欲しい。だから、返事が決まったら言ってくれ。」

宮本は最初からそのつもりだったのか、しっかりとした声でそう言うと、おれ達は2人で帰った。

それから、おれはおれなりに考えて、宮本に告白されたことを優斗に伝えることにした。

そして、優斗と付き合ってることを言ってもいいか聞こうと思う。


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