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お前には敵わない

それから涼と話していた。

涼は幅広い分野のことを知っていて、それだけ交遊関係が広いのだろうなと思った。

おれは狭く深くと言えば聞こえはいいが、単に友達が少ないので涼ような人が羨ましい。

「ところで最近、佐々木と一緒に居ないけど喧嘩でもしたのか?」

涼は一瞬間を開けて、聞いた。

きっと、1番聞きたいのはこのことだろう。

「…喧嘩じゃないけど、みたいな感じ…かな。」

優斗も少し怒っていたし、間違いではない気がするけど、

喧嘩…に見えるんだ。

せっかく恋人になったのに、近づかないで。て言うのは酷かったな。

「そうかぁ。まあ、そんな落ち込むなって。じゃあ、またな。」

自分で選んだことだから、落ち込んでいないはずなのに、宮本にはそう見えたらしく、背中をポンポンと叩かれ、励まされた。


「誰あれ。」

気づくと優斗が前にいた。

おれは久しぶりに優斗に声をかけられたことが嬉しくて、興奮して宮本のことを話した。

でも優斗はおれが言葉を発する度に不機嫌になり、冷たい目でおれを見ていた。

「ふーん。宮本には触らせるんだ。」

久しぶりに聞いた優斗の声は低く冗談っぽさがなく、おれは何も答えることができなかった。

「もう、あいつとは関わるな。」


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