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お前には敵わない

朝、玄関を開けると優斗が立っていた。

優斗は爽やかに挨拶し、おれも挨拶を返すと、2人で学校へ向かって歩きだした。

昨日、俺達は恋人になった。


しばらく会話はなかったけれど、優斗だと気まずいとも思わない。

すると突然、左手に温かさを感じる。

「やっ、やめろよ。」

「えー。いいじゃん。」

手を振り払うと優斗が拗ねたように口を尖らせる。

「うちの学校の生徒だっているんだぞ。ばれたら、どーすんだよ。
やっぱり、男同士っていうのはおかしいって思う人もいるし、学校とか外とかでは隠した方がいいと思うんだ。」

「まあ、健太がそーいうなら、そーするけど。」

キスはいい?とか馬鹿なことを言ったりして、優斗は少し不服そうだったが、おれ達は、外ではばれる様な行動はしないっていう約束した。

それなのに…、学校で優斗は休み時間の度に、おれを膝の上に座らせようとしたり、可愛い可愛いと連発したり、頭を撫でたりと約束なんてまるで無視だ。


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あきゅろす。
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