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お前には敵わない

「ほら、文化祭のとき。」

ああ。って、あれは勝手に優斗が聞いただけで…

思い出さない様にしてたのに…

恥ずかし過ぎる。

「健太は僕のことそんなに好きなんだ。」

え?何で知ってるんだよ。

そうだけど、まだ言う勇気なんてできてるはずがない。

「ち、違うよ。」

また、改めて言おう…言えたらいいなぁって思っていた。

「そんな赤い顔して否定しても、可愛いだけだよ。」

「ちょ、嘘だろ。見んな。」

おれが顔を手で隠していると、優斗が優しい瞳をしてフッと笑った。

「…付き合おっか。」

「へ?…だって、」

マヌケな声が出るほど、頭の中はハテナだらけ。

「健太、僕のこと好きだろ?」

「うん。…っいや、違うけど、優斗は?」

当たり前のように聞かれたから、思わず肯定してしまった。

「僕?僕はいつも健太に言ってるだろ?」

「嘘だ。聞いてない。」

当然のことの様に答えるが1度も聞いたことがない。

「…さっきだって可愛いって。」

優斗はばつが悪そうに俯いて言う。

「可愛いと好きは違うじゃん。」

「でも、そこには愛が含まれてるんだから、一緒だよ。それに気づかない健太が悪い。」

優斗の勝手な解釈で、結局おれが悪いらしい。

「そんなー。」

横暴すぎる優斗発言におれは抗議の言葉を漏らした。


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