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お前には敵わない

まだ暖かくないが、桜がおれの上に舞い降りてくるのが春らしい今日、俺は全く知り合いのいない学校に入学する。

同じ制服を着た子達がそわそわと浮足だった様子で同じ場所に向かっていく。

もちろん、おれもその一人。

友達のこと、勉強のこと、これからの新生活に胸を躍らせ、また、それ以上に緊張している。

これからおれが一年を過ごす教室の前に着くと、そっと静かにドアを開けた。

その瞬間教室にいた生徒みんなの視線が注がれる。

中に入っていくと、その視線はほとんどおれから外された。

また静かに、確認した自分の席に座る。

友達と話している者やおれのように一人で席に座っている者もいる。

気付くと席の前に一人の男子が立っている。

そいつは女子がほって置かないだろうってくらい整った顔をしていて、おれの真っ黒な髪とは違い、少し茶色がかった髪が格好良くセットされていた。

しかし、痛んでいる様にも見えないから、もともとの色なのかもしれない。

そいつはおれと目が合うと、ニコッと女子が見たら絶対落ちるというような顔で笑いかけて言う。

「おはよう。僕は佐々木優斗。これからよろしくね。」

「あ、あぁ。よろしくっ。おれは中野健太だ。」


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あきゅろす。
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