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キスじゃ死ねません(仮)

しかし、そこからが大変だった。

同じクラスとはいうものの、祐利がこの教室に来ることはないのだから、待っていても会えるはずもなかった。

俺が廊下でぶつかった事を考えると、教室に来ていないだけで、学校には来ているのだろう。

そう思って真っ先に見に行ったのは保健室だった。

しかし、何度行っても、そこに祐利の姿は無かった。

俺はまた、遅刻した日と同じ時間帯に同じ場所で待ったりもした。

しかし、これも祐利を一度見ることさえできなかった。

仕方なく、俺は最終手段である担任に詰め寄った。

そして担任を脅…聞き、祐利の住所と電話番号を知った。

祐利の家はある高級マンションの一室だった。

俺その前をよく通り掛かかるようになり、そのマンションを見上げる度に不思議と心が満たされていくのを感じた。

しかし、祐利がこのマンションに出入りする所を見ることは一切無かった。

痺れを切らした俺は祐利の電話番号を入力した状態のケイタイと何時間も睨めっこし続けた。


何やってんだろ…俺。

ここまで自分が祐利に執着する理由がわからなった。

もう、知るか。


最終的に、俺は勢いで通話ボタンを押してしまった。


「…はい。もしもし、どちら様ですか?」

「あ…っ、えっと、佐々木睦月だ。…明日の放課後、体育館裏に来い。」


それだけ言うと電話をきった。

自宅の電話なのだから、そいつが出るとは限らないのに。

本当にその電話だけで来るかどうかなんてわからないのに。


俺は次の日、体育館裏に向かった。





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あきゅろす。
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