Again
7
次の朝、目が覚めると目の前には真っ白な少年がいた。
俺はしばらく周りを見渡し、ここが見慣れた自分の部屋であることを確認すると、やっと昨日あったことを思い出した。
それから、お前が起きるのを待った。
「はぁー。…行くか。」
俺は警察署の前で大きなため息をつくと、決心して進んだ。
お前は不思議そうな顔で俺を見ていた。
「おい、柏木。お前、また何かやらかしたのか?」
でも、警察署に入る前の階段で声をかけられる。
あー。嫌な人に見つかった。
俺は露骨に嫌そうな顔をして、振り向いた。
「佐藤さん…。違いますよ。」
佐藤は俺の隣の人物に気づくと茶化すように聞いてきた。
「誰だ?その子は?誘拐か?」
「違いますって。あ。そうだ。調べて欲しいんすよ。こいつのこと。」
俺はお前を佐藤の前に突き出す。
「は?どういうことだ?」
「捜索願いとか出てないっすか?」
「…お前、まさか本当に誘拐…。」
「だから、違いますって。」
その後、俺が佐藤に事情を説明すると、佐藤は快く調べてくれた。
しかし、これといった情報は何も出てこなかった。
「もし本当に記憶喪失なら、病院に連れてけよ。」
「そのつもりですよ。てか、まだ疑ってるんですか?」
その後も、いや〜。本当にあるんだな〜。と頭を掻いている佐藤に見送られ、俺達は警察署をあとにした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!