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Again

そして、その時、俺は決心したんだ。


さっき見たものは全て忘れようと…。


俺は立ち上がり、お前に長袖のTシャツとジャージを用意して、ドアごしに声をかけた。



「ちゃんと風呂はいれてるか?着替え、置いとくぞ。」



少し待つが返事はない。


俺は玄関で突っ立っていたお前を思い出し、

またそうなってるんじゃないか。

風呂で溺れたりしているんじゃないか。

と不安に思った。



「っおい!!おいっ!!大丈夫かっ?!開けるぞっ!!」



焦って開いた先には、浴槽にちゃぽんと浸かったお前がいた。



「良かった。返事くらいしてくれ。…じゃあ、ゆっくりあったまれよ。」



安心して、テレビを見ていた所、お前が出てきた。


やはり、お前には俺の服は大きかったみたいで、鎖骨が露見し、手は完全に袖で隠されていた。


髪の毛はまだ濡れていて、水がぽたぽたと滴り落ちていた。



「またかよ。…こっち来い。」



俺が洗面所に入り呼び込むと、ジャージの裾を引きずりながら歩いてきた。


俺はお前を鏡の前に立たせ、玄関でしたのと同じように少し乱暴に頭をタオルで拭いて、ドライヤーを手にとった。


それで髪を乾かしている間、お前は鏡に映る自分を食い入るように見つめていた。





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あきゅろす。
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