Again 17 「…それに、思い出すのと一緒に、今の記憶が無くなってしまったら…。 政明と祭に行ったことも、今日のことも、政明と過ごした幸せな日々が全部…全部消えてしまったら…。 それを考えると、凄く…凄く…怖いんだ。 どうしようもなく、怖くなるんだ。 僕は…、僕は…、 政明が好きだから。 政明のことを忘れてしまうのだけは、絶対に、嫌なんだ。」 お前からの突然の告白。 しかし、俺は疑った。 この言葉は少し違っているのかもしれない、と。 記憶を無くしてからのお前の知り合いは俺だけ。 だから、普通なら親に抱く家族愛とかいう類いのものを俺に抱き、それを恋愛感情だと勘違いしたのかもしれない。と思った。 でも、その可能性をお前に話すだけの勇気は俺には無かった。 「真白…。俺も好きだ。」 もし、勘違いなら、それでも良かった。 お前に『好き』と言われた時、やっと俺のお前に抱く気持ちにしっくりとした名前が付いたから。 どうしても、お前の気持ちを繋ぎとめていたかった。 「もし、真白が俺のことを忘れてしまっても 俺は全部覚えてる。 だから、絶対俺がお前を探し出す。 そして、もう一度同じ事をするよ。祭にも行く。ここにも一緒に来よう。 そして…… もう一度、恋に落ちよう。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |